1996 Fiscal Year Annual Research Report
咬合終末期における歯の変位経路とその生理学的機構解明-矯正治療にともなう経路変化の資料を用いて-
Project/Area Number |
08407068
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
相馬 邦道 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10014200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 幸弘 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (50192729)
石田 哲也 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (80211043)
飯田 順一郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (90151232)
宮入 裕夫 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (50013892)
中村 嘉男 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10010026)
長谷川 成男 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (70014074)
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Keywords | 咬合終末期 / 歯の変位 / 顎運動 / 顎口腔機能 / 神経制御機構 / 矯正治療 |
Research Abstract |
本研究の目的は、咀嚼時特に咬合終末期に生じる歯の小変位を詳細に捉えること、またその制御機能を解明し、咬合状態との関連性を検討することにある。今回は以下の項目に重点を置き研究を行った。 1.歯の微小変位の測定 現有する光ファイバー変位センサ(ST3713岩通)を用い、歯の微小な変位動態を実測した(第55回日本矯正歯科学会大会 1996)。本法は歯に対して非接触な測定法であり、歯固有の動きを制限することなく測定が可能であった。 また、その時に歯に対して加わる咬合衝撃力がどうのように伝播吸収されていくかを検討するために動力学的シミュレーションを行い、歯根膜の力学的意義に言及した(第4回顎顔面バイオメカニクス学会 1996)。 2.神経制御機構の解明 歯の変位を咀嚼という機能時において総合的に評価するために歯の変位の他に顎運動および咬合力の発現に関して検討を加えた。すなわち、破壊効率というパラメーターを媒介に、咬合終末期において形成される顎運動経路に関して理論的考察を加え(顎口腔機能学会雑誌 第3巻2号)また、実際の顎運動測定装置(MMJI-E松風)により得られたデータを用い臨床的に検討した(顎口腔機能学会雑誌 第3巻2号)。 加えて、時々刻々と変化する上下歯の相対的位置関係に対して生体がどのように顎口腔機能を制御しているかを検討するために咬合力の動的測定を行い、その咬合力の力学的重心位の変動と生体制御機構との有意な関連性を認めた。(日本矯正歯科学会雑誌掲載中)
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[Publications] 長谷誠: "咬合終末期における顎運動パターンとその咬合状態" 日本顎口腔機能学会雑誌. 3(掲載中). (1997)
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[Publications] 久野昌隆: "咬合終末期における顎運動経路の形成に対する力学的考察" 日本顎口腔機能学会雑誌. 3(掲載中). (1997)
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[Publications] 相馬邦道: "生命科学における咬合/咬合の基準6 矯正歯科分野よりみて 不正咬合に対する咬合の基準" クインテッセンス, 11 (1997)