1998 Fiscal Year Annual Research Report
慢性病をもつ高齢者の性への影響の把握と性の充実を促す援助モデルの開発
Project/Area Number |
08407074
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
小松 浩子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60158300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
射場 典子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (00258980)
久代 和加子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (10286908)
岡光 京子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (40276655)
南川 雅子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (10255961)
高見沢 恵美子 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (00286907)
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Keywords | 慢性病 / 高齢者 / 性 / 援助モデル |
Research Abstract |
1997年度から引き続いて「慢性病をもつ高齢者の性の充実を促す援助モデル試案」を試験的に臨床において適用し、継続的にデータ収集を行い対象施設の代表者ならびに性に関する専門家を交えてそれらの結果について検討を行い(プロジェクト会議)、モデル試案の洗練を重ねた。その結果、最終的に以下のような援助モデルを作成した。【援助の目標】慢性病をもつ高齢者の性的統合性が高まるよう促す。【対象】慢性病をもつことで性への何らかの影響を受けている高齢者。【看護婦の役割】(1)高齢者の性に対する態度・認識などを変容できるよう働きかける。(2)高齢者の性的ニーズに気付いてもらえるよう援助する。(3)性への影響に対する非効果的なコーピングを修正できるよう援助する。(4)性的な存在としての自尊心を高めることができるよう援助する。(5)潜在的な性的エネルギーを活性化できるよう援助する。【介入の焦点】<慢性疾患や治療、老いによって生じている性機能障害><性についての心配(懸念)><性的自己像の変容><パートナーとの関係性の揺らぎ><性機能障害や性に関する心配への非効果的なコーピング><非効果的なコーピングに関連する性に対する誤った態度や認識><潜在する性的エネルギーの停滞・低下>。【介入の様式】「高齢者の性への影響ならびに性的ニーズに関する包括的アセスメント」「老い・性に関する知識や価値観を深める援助者の自己研鑚」「高齢者の性に対する正しい知識の啓発」「老いと慢性病からくる性的な影響についての高齢者への教育」「非効果的なコーピングの調整を促す教育とリソースの開発」「性役割の柔軟な移行へのサポート」「夫婦間のあたたかなエネルギーの交換の支援」「自己尊重を促進する支援」「生・性の活力を沸き起こすセルフ・ケアの促進」「他者とのつながりを維持・拡大するための場づくり」。さらに、援助モデル試案の臨床への適用時に問題として生じていた点を考慮にいれ、具体的な介入の手段ならびに介入のためのプログラムの内容、およびそれらを運用するシステム(環境・設備、人的・物的資源、対象病院との組織的な連携方法)の内容について再検討を試みた。援助モデルの実践へ適用を段階的にすすめており、第一段階目として、現在援助者の自己研鑚の関するプログラムの適用ならびに高齢者の性に対する正しい知識の啓発に関するプログラムを実施し、その評価をプロジェクト会議において行っている。今後、これらの結果を鑑みて臨床において第2段階目のプログラムを実施し、総合的に検討・評価し援助モデルの妥当性・有用性の検証を継続していく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hiroko Komatsu et al.: "The Development of the Nursing Intervention Model in Promoting Sexuality in the Choronically Ill Older Adults" Third International Nursing Research Conference Abstract. 223 (1998)
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[Publications] 高見沢恵美子,他: "慢性病をもつ高齢者の性の援助へのニーズ" 第18回日本看護科学学会学術集会講演集. 334 (1998)