1996 Fiscal Year Annual Research Report
地震防災からみた木造家屋構造部材における生物劣化の実態解明と防止策に関する研究
Project/Area Number |
08408001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
土井 正 大阪市立大学, 生活科学部, 講師 (70137181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮野 道雄 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (00183640)
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Keywords | 木造住宅 / 耐震性 / 耐久性 / 施工実態 / 非破壊検査 / 熱画像 / 超音波診断 / 住まい方 |
Research Abstract |
本研究は既存木造家屋における蟻害や腐朽の実態を明らかにし,家屋の維持管理や生活行為に伴う水分供給など生活科学的側面からその発生要因と防止策の検討を行い,木造住宅における長期の耐震・耐風性能の保持に寄与することを目的としている。本年度研究実績の概要を以下に述べる。 1)一般居住者を対象とする木造住宅における耐震・耐風性能および蟻害・腐朽への関心度,平均的な生活行為と発生水分量に関するアンケート調査を過去の災害経験,気候区分を考慮して沖縄県を除く北海道から九州までの19都市を対象に各都市4街区の戸建て住宅を各都市150戸抽出し,郵送における調査票の配付回収を行い,約780戸の回答を得た。これより,阪神・淡路大震災の影響は僅かで住まい手の建物性能の維持管理に対する努力不足が明らかになった。床下,壁体内等居住環境の温室度連続測定の対象住宅をアンケート回答者の中から選定した。同時に,阪神間の新築住宅について温湿度計を設置している(対象家屋はいずれも3月現在建築および設計途上)。 2)建築技能者を対象とする耐震・耐久性に関わる施工方法,設計施工についての意識および防腐防蟻処置に関するアンケート調査を全建総連の協力を得て,沖縄県を除く全都道府県の組合員である工務店3,300件を対象に郵送による調査を実施し,1,240件の回答を得た。これより,強度や耐久性に関する考え方,施工実態に地域差があり,在来軸組工法と伝統工法の設計思想の違いは認識しているにもかかわらず,接合部の補強など施工実態に反映されていないことが明らかになった。施工現場の見学等実地調査を受諾した工務店について平成9年度より詳細調査を行い,使用部材,基本モジュール等の解明を行う。 3)既存建物における超音波探査および精密熱画像により蟻害・腐朽度の判定システムの構築のために接合部モデルを作成し,判定基準の検討を行った。
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Research Products
(1 results)