1997 Fiscal Year Annual Research Report
同期チャネルとオブジェクトを持つ並列言語の分散共有記憶型並列計算機上の高効率実現
Project/Area Number |
08408008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米澤 明憲 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00133116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田浦 健次朗 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90282714)
増原 英彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (40280937)
小林 直樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (00262155)
松岡 聡 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (20221583)
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Keywords | 並列プログラミング / 並列オブジェクト / 同期チャネル / 型システム / デッドロック / 部分計算 / マルチスレッド / 分散GC |
Research Abstract |
実践、理論の両面でさまざまな成果をあげた。実践面では、この研究の目標である並列言語Schematicの効率的な処理系を共有記憶並列計算機(SunUltra EnterpriseおよびSGI Origin2000)上で稼動させた。この処理系は、(1)C言語などの逐次言語における関数呼び出しと同等のオーバーヘッドでのスレッド生成、(2)コンパイラによるインラインスレッド切り替えによる高速なスレッド切り替え、(3)unboxedチャネルによる効率的なスレッド間同期、通信を実現している。実用的な応用問題により、(a)C言語と同程度の逐次実行速度および、(b)我々の実験環境における最大プロセッサ数(64 プロセッサ)にいたるまでの高いスケーラビリティを実証した。これらの結果は、論文[5,11]に述べられている.並列言語の実行時システムの中心部である並列スレッド管理および並列メモリ管理方式に関しては、独立した研究および評価も行っており、論文[1,6,7,8,9,12]に述べられている。理論面の研究では,Schematicがもとづいている並行計算(HACL)に対する新しい型体系を与えた。この型体系は、あるプログラム断片を実行した結果、プログラム中に書かれた通信、同期操作(送受信)が、実際に成功裡に行われるか否かを、型付けによって判定する。この結果によって、従来よりもはるかに安全な平行プログラム言語の設計が与えられるのみならず、平行計算のオーバーヘッドを大幅に小さくする、効率的なコンパイル方式の基礎が与えられる。これらの結果は、論文[3,4]に述べられている。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] T.Endo, K.Taura and A.Yonezawa: "a scalable mark-sweep garbage collector on large-scale shared-memory machines" Proceedings of High Performanoe Computing and Networking (SC '97). (1997)
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[Publications] A.Igarashi and N.kobayashi: "Type-based analysis of usage of communication channels far concurrent programing languages" Proceedings of International Static Analysis Symposium (SAS '97). 187-201 (1997)
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[Publications] N.Kobayashi: "A partially deadlock-free typed process calculus" Proceedings of IEEE Symposium on Logic in Computer Science. 128-139 (1997)
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[Publications] N.Kobayashi: "A partially deadlock-free typed process calculus" ACM Transactions on Programming Languages. (to appear). (1998)
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[Publications] Y.Oyama, K.Taura and A.Yonezawa: "An efficient compilation framework for languages based on concurrent process calculus" Proceedings of Europar '97. 546-553 (1997)
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[Publications] K.Taura and A.Yonezawa: "An effective garvage collection stratsgy for parallel programming languages on large scale distributed-memory machines" Proceedings of ACM SIGPLAN Symposium on Principles & Practice of Prallel Programing (PPOPP). 264-275 (1997)
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[Publications] K.Taura and A.Yonezawa: "Fine-grain multithreading with minimal compiler support---a cost effective approach to implementing efficient multithreading languages" Proceedings of the 1997 ACM SIGPLAN Conference on Programming Language Design and Implementation. 320-333 (1997)
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[Publications] 山本泰宇, 田浦健次朗, 米澤明憲: "分散メモリ並列計算機上おけるreference couut GCとmark and Sweep GCの比較" 並列分散協調システムに関する合同ワークショップ予稿集(SWOPP). (1997)
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[Publications] 山本泰宇, 田浦健次郎, 米澤明憲: "分散メモリ並列計算機上での参照カウントGCと大域GCの実装及び性能比較" 並列処理シンポジウム予稿集. (採録決定). (1998)
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[Publications] 清水智弘, 小林直樹: "分散並行線形論理プログラミング" 日本ソフトウェア科学会全国大会予稿集. 305-308 (1997)
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[Publications] 大山恵弘, 田浦健次朗, 米澤明憲: "細粒度スレッド生成をサポートする言語の共有メモリ並列計算機上での実装とその性能評価" プログラミングと応用システムに関するワークショップ予稿集. (採録決定). (1998)
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[Publications] 田端邦男, 田浦健次朗, 米澤明憲: "プログラムのためのLazy Tack Creation" 並列分散協調システムに関する合同ワークションプ予稿集(SWOOP). (1997)