1996 Fiscal Year Annual Research Report
マルチディテクタ無侵襲組織反射光オキシメータシステムの開発研究
Project/Area Number |
08408038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高谷 節雄 山形大学, 工学部, 教授 (40154786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 志信 山形大学, 工学部, 助教授 (40242218)
渡辺 隆夫 山形大学, 医学部, 助教授 (60138922)
島崎 靖久 山形大学, 医学部, 教授 (60116043)
宮本 嘉巳 山形大学, 工学部, 教授 (30001689)
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Keywords | オキシメトリ / パルスオキシメトリ / 光電子脈分光 / 酸素飽和度 / 時間分解分光法 / 深度分解分光法 / 低酸素飽和度 |
Research Abstract |
(1)従来の光オキシメータ(特にパルスオキシメータ)は、信頼のおける酸素飽和度の測定精度が動脈血酸素飽和度(SaO_2)80%以上の場合に限られ、それを下回る場合は、測定限界とされ適用できなかった。 そこで、従来のパルスオキシメトリの測定範囲を広範囲(SaO_2:100〜30%)に拡張すべく、光拡散論に基づいた数理組織モデルを構築し、その結果、測定に使用する2波長を従来のもの(660nm,880-910nm付近)ではなく、730-770nm,880-910nm付近を使用することで、広範囲SaO_2の測定が可能となるとの知見を得た。 この理論に基づいて反射型パルスオキシメータを開発し、測定誤差が広範囲SaO_2において3%程度であることを動物実験(成犬)にて確認、特に低酸素飽和度(70-30%)の測定精度が従来のもの(誤差10〜20%程度)を上回ることを確認した。 このことは、パルスオキシメータに限らずオキシメータ全般の測定精度の改善を示唆するものであり、今後、オキシメータを構成する上で、波長の選択は重要な課題になると思われる。 (2)しかし、従来のオキシメータは、組織の任意の深さにおける酸素飽和度の測定法が確立しておらず、組織の深い部分の情報を抽出する方法の開発が望まれている。そこで、組織を模擬した2層モデル(ミルク・ゼラチン使用)を構築し、ピコ秒分光器を使用、送光・受光ファイバ間隔を広げるにつれ、表面の層(ミルク)が3mm程度ならば検出した時間分解波形の後方が、深部層のみのそれと一致することを確認した。 これは、ファイバ間隔を広げるにつれ、時間的に遅れて到達する反射光が深部の情報をより確実に捕らえること(時間的に早めに到達する反射光を表面の層による反射として無視する)を実験的に証明したものである。今後、モデルに改良を加え、より深い部分の測定法及び、測定理論の確立を目指す。
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