1997 Fiscal Year Annual Research Report
細胞のランダムな運動とその制御による個体保持機能の研究
Project/Area Number |
08409002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
沢田 康次 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (80028133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 美徳 東北大学, 理学部, 助手 (20218556)
佐野 雅己 東北大学, 理学部, 助教授 (40150263)
前田 靖男 東北大学, 理学部, 教授 (50025417)
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Keywords | 多細胞生物 / ヒドラ / 細胞性粘菌 / 細胞選別 / 分化のプレパターン / 細胞統計力学 / 生命 / 個体維持機構 |
Research Abstract |
生命状態の理解のためには、生物を構成しているハードウエアだけでなく、それらを働かせている個体全体のソフトウエアを知る必要がある。個体を保持している機構を研究するためのは、個体を構成している細胞が独立に存在している場合と細胞が協調して個体を形成している場合を結び付ける研究が必要である。 上記の研究には、多細胞生物がはじめて地球上に出現した比較的進化の低い段階にある生物であるヒドラと細胞性粘菌適している。ヒドラは細胞解離したランダムな集合体から数日の内に個体を再生させ、細胞性粘菌は充分な大腸菌を与えておくと単細胞状態で分裂を繰り返しているが、飢餓状態にすると集合して移動体を形成する。これら多細胞生命の形成にあたって、細胞のランダムな運動とその制御が重要な働きをしていると考えられる。 本研究は、(1)ヒドラの解離細胞集合体における構成細胞の運動を綿密に追及しその統計的性質を明らかにし、細胞選別過程の定量的理解を進め、2)2次元平面に閉じ込めた粘菌細胞集合体において数分以内に出現するパターンが、生物の形態形成においてはじめて観測された分化のプレパターンの可能性が高いことを明らかにした。 本研究に始まった細胞統計力学と生命の個体維持機構の研究は生物研究の新しい分野を開拓したものと信じている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yasuji Sawada: "Rapid patterning of Dictyostelium discoideum cells under confined geometry and its relation to differentiat" Develop.Growth Differ.40(to be published). (1998)
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[Publications] J.P.Rieu: "Quantitative analysis of cell・motion during sorting in two-dimensional aggregates of dissociated hydra cell" Physical Review E. Vo1.57 No.1. 924-931 (1998)
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[Publications] K.Sugawara: "Cooperative acceleration of task performance : Foraging behavior of interacting multi-robots system" Physica D. 100. 343-354 (1997)
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[Publications] T.Arakane: "Relvance of Histone HI Kinase Activity to the G21M Transition during the cell Cycle of Dictyostelium discoideum" Journal of Plant Research. 110. 81-85 (1997)
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[Publications] T.Araki: "Symmetry Breaking in Dictyostelium Morphogenesis : Evidence That a Combination of Cell Cycle Stage and Positional Information Dicta Cell Fate" Developmental Biology. 192. 645-648 (1997)