1997 Fiscal Year Annual Research Report
マイルドな条件による新しい核燃料再処理システムの開発
Project/Area Number |
08409004
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
冨安 博 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (50016854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 幸男 動燃事業団, 先端技術開発室, 室長
藤井 靖彦 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (20016869)
原田 雅幸 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (20156516)
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Keywords | 核燃料 / 再処理 |
Research Abstract |
本研究は安全で合理的な使用済核燃料再処理システムを構築する目的で始められた。安全性を常に確保するためには、マイルドな条件の水溶液中で行うのが最適と考え、再処理工程は全てマイルドな条件で設定されている。実験はウランと主要な核分裂生成物である17元素からなる模擬再処理溶液を用いて行った。これまでの研究結果から、大部分の核分裂生成物は、炭酸ナトリウムにより溶液のpHを約9に調整するだけで、ウラン、プルトニウム、ネプツニウムから沈殿として分離されることが分かった。沈殿の中には、希土類、3価アクチノイド(AmとCm)、ストロチウム等の元素が含まれる。 本年度は、分離された核分裂生成物のうち、長寿命の3価アクチノイドと放射性毒性の強いストロチウムを分離することを試みた。これ元素は廃棄物に混入すると、様々な問題を引き起こすからである。3価アクチノイドの回収には、カルバモイル基と酸化リンを官能基に有する(通常、CMPOと呼ばれる)キレート樹脂を合成し、分離実験を行った。その結果、CMPO樹脂が3価アクチノイドの回収に極めて有効であることが分かった。ストロチウムの分離には、18クラウンエーテルとポリアミン樹脂を用いた。18クラウンエーテルはけいタングステン酸の存在下で、ストロチウムと不溶性の錯イオンを形成する。この反応を利用することにより、ストロチウムは高い収率で分離された一方、ポリアミンキレート樹脂はストロチウムを全く吸着しない。したがって、溶液を樹脂に通すことにより、ストロチウムを他の元素から分離できることが明らかになった。
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[Publications] Y.Asano, H.Tomiysu: "Kinetic Studies of UO_2 Powders in Acidic Aqueous Solutions Containing Cerium(IV)or Chlorine Dioxide as Oxidants" J. Nucl. Sci, Technol.33, No. 2. 152-156 (1996)
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[Publications] H. Tomiyasu等: "Study on a Nuclear Fuel Reprocessing system Based on the Precipitation Method in Mild Aqueous Solutions" Nuclear Technology. 120, No. 3. 198-210 (1997)