1996 Fiscal Year Annual Research Report
各種行為障害事例における病巣と障害像との関係に関する実験心理学的研究
Project/Area Number |
08451017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河内 十郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30083710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 満 昭和大学, 医学部, 助教授 (20161375)
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Keywords | 肢節運動失行 / 観念運動性失行 / 観念性失行 / 着衣失行 / パントマイム失行 / 接近現象 / 他人の手徴候 |
Research Abstract |
今年度は、大脳病変による行為障害の中で、特にパントマイム失行、着衣失行、模倣行為の臨床病態について分析し、それらの機序を検討することから行為に関する脳内機構について考察した。なかでも物品の実際の使用や模倣行為が良好であるにもかかわらず自動詞的行為と物品使用行為のいずれにおいてもパントマイムの表出が悪いパントマイム失行は、これまでに記述されていない新しい失行症のタイプで、これが緩除進行性の変性疾患で明らかにされたことから、脳血管障害例でも詳細に検討すれば出現するかどうかが今後の課題とされた。 また、物品の視覚提示によるパントマイム表出の検査で提示された物品に上肢が接近する接近現象と同時に模写課題において手本をなぞり描きしたり手本に接近して描くclosing-in現象とが緩除進行性変性疾患例で認められたが、これは正しい行為表出に必要な想起困難である場合の、代償的方略であると考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 河内十郎: "知能とは" CLINICAL NEUROSCIENCE. 14・1. 14-16 (1996)
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[Publications] 河村満: "高次機能障害と画像診断(失語を例として)" Medical Practice. 13・4. 561-564 (1996)
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[Publications] 河村満: "前頭葉病変による行為障害-症候学と神経学的モデル-" 神経心理学. 12・2. 114-120 (1996)
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[Publications] 河村満: "アルツハイマー型痴呆における行為障害の特徴" 老年精神医学雑誌. 7・8. 871-878 (1996)
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[Publications] 河村満: "側頭葉の機能解剖" CLINICAL NEUROSCIENCE. 14・10. 1135-1138 (1996)
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[Publications] 河村満: "失音楽(amusia)-表出面の障害について-" 音声言語医学. 37・4. 468-473 (1996)