1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08451023
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大渕 憲一 東北大学, 文学部, 教授 (70116151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 郁夫 福島大学, 行政社会学部, 助教授 (90162859)
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Keywords | 公正 / 手続き / 訴訟 / 裁判 |
Research Abstract |
起訴経験者に対する質問紙調査を行った。争点、起訴以前の対処方略、裁判を選んだ理由・目的、裁判過程の評価(発言、結果コントロール、裁判官や弁護士の情報能力、裁判官や弁護士の態度)、裁判結果とその評価(結果の有利さと満足感、結果の公正さ、手続きの公正さ、裁判官・弁護士への満足度、裁判制度への満足度と公正さ、裁判再利用の意志)などを評定させるものである。平成9年〜8月にかけて山形県の弁護士30人、仙台市の弁護士100人に調査協力を依頼したところ、23名の弁護士が承諾し、それぞれ訴訟経験者2〜3名に質問紙を配布してくれた。最終的に、59名から回答を得た。 裁判前の方略としては、説得や交換取引などの直接交渉と回避が両方見られる。親族間の紛争解決では回避が多く、また、事件が深刻な場合には裁判など第三者介入が選ばれやすい。裁判を選ぶ最大の理由は「公正な解決」で、経済的利益や個人的権利などよりも強調された。しかし、結果評価において結果の公正さと有利さは非常に高い相関を示したので(r=91)、訴訟当事者は自分に有利な結果が公正であると強く信じているのが分かる。回帰分析では、裁判結果に対する満足感は結果の有利さ・公正さと結果コントロールによって規定され、手続き要因の効果がなかったことも、当事者にとって最大の関心が結果の善し悪しであることを示している。しかし、裁判制度への満足感に関する回帰分析では、結果コントロールとともに手続き的公正の効果が有意で、訴訟経験者が手続きの適切さにも関心を持っているこたが示唆された。
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