1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08451038
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
犬塚 先 千葉大学, 文学部, 教授 (70009752)
|
Keywords | 組織 / 最高経営者 / 意思決定 |
Research Abstract |
企業の最高経営者の意識、行動様式を解明するに当たり、その前提となる、彼らのおかれている条件の分析を試みた。その観点は、組織と経営行動に関わる事項、そして組織の意思決定を表す事項である。これらの点を主にアンケート調査から得られたデータをもとにして分析を行った。 最近の企業経営行動は、巨大企業で厳しかった。売上高でみた成長率は、ほぼ横這いであり、事業部制を採用している企業では、マイナスを示した企業がおおい。従って、事業転換が行われ、今後も引き続いてそれが予定されている。企業のリストラクチャリングの信号がデータによって裏付けられた。 情報化の進展度合いは、従業員規模1000人以上の大企業で進行している。大きな経営環境の変化への対応という性格を持つ。組織形態は、ライン・スタッフ制と事業部制が広くみられる。そして、意思決定の傾向としては、年齢序列がはっきりと存在する。これは、決定過程、最終決定方法の二つの部分で観察された。企業活動面では、能力主義化、柔軟な生産方式が広がりつつある反面で、決定の領域での性格はそれと大きく食い違っている。 経営管理に関する事項ごとに分けて分析した場合の特徴点でゃ、次のようであった。経営全般に関わる事柄は、社長が最終決定権を持つ。それ以外の生産、管理に関する事項は部長が決定権を持っている。日常の仕事に関する側面では課長と職長が中心である。従って、組織運営の大部分は、部長を中心に行われており、その部長の任命を通じて、社長の意向が反映される。意思決定の側面で果たす部長の比重の大きさが、あらためて浮き彫りにされた。
|