1996 Fiscal Year Annual Research Report
脱工業型都市の社会分析:サービスクラス増大の社会学的意味
Project/Area Number |
08451045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
園部 雅久 上智大学, 文学部, 助教授 (00154716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛島 千尋 城西国際大学, 人文学部, 教授 (90245324)
岡本 英雄 上智大学, 文学部, 教授 (20119126)
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Keywords | 階層形成 / 世帯 / ジェンダー / 文化 / 空間 |
Research Abstract |
1.今年度はまず、イギリスで展開されているサービスクラス論、およびアメリカで発展したアッパープロフェショナル論の検討を行った。サービスクラス論からは、新しいアプローチとして、所有資産組織資産、文化資産をベースとする、クラス資産アプローチが着目された。アッパープロフェッショナル論からは、その文化様式として、経済的要素、道徳的要素、作法的要素を分けることの面白さが着目されていた。そして、近年のサービスクラス論が、ポストフォーディズムといった社会のマクロな変動との関連を捉えようとしていることが理解できた。 2.東京23区と首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県)を対象として、1980年から1990年の転業構造の変化を分析した。それから専門職、とりわけ、コンピュータ関係の技術エンジニア職が急増していること、技能職を中心とした熟練労働者が減少する一方で、労働職といった未熟練労働者が増加していることが明らかになった。そしてこの傾向は、空間的には、首都圏全体よりも、東京23区でより顕著であった。3.これらの成果を踏まえて、来年度は、わが国におけるミドルクラスの形成を郊外の誕生との関連を歴史的に検討し、さらに、近年のサービスクラスの増大と新しい郊外開発の進展との関連について検討する。一方で、新しい郊外の生活構造を把握するために、標準化調査を準備し、新しい郊外の社会的意味を論じる予定である。
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