1996 Fiscal Year Annual Research Report
日本社会における社会制度体の存続過程に関する実証的研究
Project/Area Number |
08451048
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
新保 満 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (60235778)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 苑子 淑徳大学, 社会学部, 教授 (30100986)
和崎 春日 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (40230940)
|
Keywords | 農村 / 農協 / イエ / ムラ / 後継者 / 農地意識 |
Research Abstract |
今年度は、農村部門では、秋田県鹿角市柴平地区2,400戸中無作為抽出により400戸を標本として、質問紙法による訪問調査を実施した。この調査には、鹿角農協の協力が不可欠なので、農協と組合員との関係を前面に出し、イエとムラに関する質問を挿入する形とした。結果を摘記するなら、399戸から有効な回答を回収することができた。そして、農家は、後継者の「農業経営」の継承は諦めているが、イエの継承は強く希望していることが判明した。また、農協は若い層を「車」にからめてムラにつなぎとめようとしている。それは、農協の経営自体の問題であると同時に、組合員である農家のニーズに対応した処置でもある。このように、農家個々の努力ではなく、地域ぐるみでイエとムラを守ろうと努力している実態を把握できた。1997年度には、鹿角市八幡平地区で、すこし視点を変えて訪問調査と聞き取りを行い、より理解を深めていく予定である。 都市部門では、京都の左大文字祭礼の調査を継続し、イエ・地域の変容と存続とを祭礼との関わりという視点からとらえる努力をした。1997年度には、本年度の調査によって得られた知見を更に深める調査を実施する予定である。
|