1997 Fiscal Year Annual Research Report
地方小都市における民俗と風俗の変容過程に関する調査研究
Project/Area Number |
08451071
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
小林 忠雄 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 助教授 (00215336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高桑 守 筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (60127769)
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Keywords | マチ場 / 五感 / 民俗文化 / 年中行事 / おわら / 甘党辛党 / 伝統産業 |
Research Abstract |
今年度は地方小都市でも石川県松任市、富山県八尾町を主たる対象とし、その他秋田県角舘町、岩手県遠野市、群馬県桐生市、熊本県人吉市などの地方都市を比較対照するために調査を行った。 松任市では昭和30年代のマチ場の詳細地図を作成した。地図には種々の店・職業を確認し、子供の遊び場、抜け道、なども記入した。また商家の暮し方の伝承の聞き取り調査を行った。 八尾町では、明治期以降のマチ場の風俗の変容を示した写真・図版資料を収集した。また五感(視覚聴覚・嗅覚・味覚・触覚)で表現される民俗文化の調査を行い、色彩では曵山祭礼、おわら風の盆、盆行事、恵比須講など季節の年中行事に表出した特徴を調査記録した。音では民俗(慣習)として表出する特徴を調査し、それがおわら行事の芸能とどのようにつながっているかの問題を追求した。味覚は甘党辛党の切り口で、生活慣習を確認したが、全体に薄味ながらも香りに敏感な食生活の在り方、神事の行事には辛い物が、仏教行事では甘い食材が使われていることが確認された。触覚は伝統産業のなかに技術伝承と共に展開しており、集団というよりは個人技が優先される傾向を確認した。
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