1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08451090
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Research Institution | Paleological Association of Japan Inc. |
Principal Investigator |
江谷 寛 財団法人古代学協会, 古代学研究所, 教授 (90223651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐山 秀穂 財団法人古代学協会, 古代学研究所, 常勤嘱託
関口 力 財団法人古代学協会, 古代学研究所, 助教授 (30216527)
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Keywords | 平安時代 / 瓦 / 平安京 / 平安宮 / 搬入瓦 |
Research Abstract |
平安京の考古学的研究において,平安宮・平安京内から出土する古瓦は,土器や陶磁器と共に年代決定や流通問題,更には地方の国司や仏教寺院とその寺領荘園の研究にもかかわってくる重要な考古史料でもある。 平安京出土瓦については,既にほぼ20年前に一応その時点での集成が試みられているが,その後の発掘調査によって更に膨大な資料が蓄積されている。これらの最近の資料については若干の新資料の発見もあるが,全体の編年体系についてはほぼ出来あがって居ると考えられる。本研究では,二年目の作業としてこれらの新たな資料を収集して,先に作成したカードに一点ずつ記録し,コンピュータに整理して来た。収集した資料は全国から平安京に搬入された瓦で,平安時代後期を主とし,筑紫,讃岐,播磨,出雲,吉備,河内,和泉,尾張,三河など広い地域にわたっていることが判明してきた。しすしこれらは,消費地としての寺院からの出土資料であるから,次にはそれらの地域での瓦製作の瓦窯を中心に,造瓦体制と平安末期における平安宮との関係について,宮殿や官衙の造営に際してその背景の研究を進めていきたい。次年度においてはこれらの瓦の資料を図録にしていきたいと考えて居る。
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