1997 Fiscal Year Annual Research Report
日本とドイツにおける企業グループのコントロール・パワーの比較分析-組織の経済理論による「系列」と「コンツェルン」の問題点・寄与の検討
Project/Area Number |
08453018
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
小山 明宏 学習院大学, 経済学部, 教授 (50146320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 泰 名古屋大学, 経済学部, 助教授 (70201952)
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Keywords | コンツェルン / 系列 / 企業グループ / エージェンシー理論 / 取引費用理論 / 所有権理論 / 新制度派経済学 / 銀行支配 |
Research Abstract |
ドイツのコンツェルンと我が国の系列の比較分析のフレームワークをできるだけ確定するため、特に前者の歴史について、その由来を中心に研究した。当然の事ながら文化的、歴史的そして民族的土壌の違う両国では、企業グループのありようも異なり、その比較対照が興味深い。そしてその構造やネットワーク、影響関係の違いは、取引費用理論、エージェンシー理論、所有権理論の3つからなる「新制度派経済学」の理論による分析によって、新しい立論がなされる可能性を持つ。申請者はこの点について、これらの理論及び企業グループというテーマ自体の'kulturgebundenheit'すなわち文化との密接な関係について検討を行い、1997年10月にフランス、メッツ大学で開かれたヨーロッパ・アジア比較経営学会第14回大会で、日本的経営と関連づけて英語による発表を行った。もちろんこれらの理論は適用対象に対応して適宜拡張、調製されなくてはならない。 ドイツのコンツェルン法の全体像については、大変奥の深いもので、我々の発想によるその再解釈については、まだ結論は出ておらず、研究中である。また、昨年度収集したドイツのコンツェルンや企業についてのデータや資料については、鋭意整理を行っている。ただし、当初計画していた計量的な手法による大規模な実証分析については、その前段階の分析に時間がかかり、まだ本格的に着手していない。ただし、前述の3つの理論は経済分析のフレームワークとは言っても、そのまま直接計測用のモデル式を提供してくれるものではなく、様々な代理変数の考案は今後もますます必要かつ重要である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 小山明宏: "ドイツ証券市場の問題と展望" 成城大学経済研究所年報. 11. 5-15 (1998)
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[Publications] 小山明宏: "証券市場の不完全性とガヴァナンス-日独比較-" 証券経済学会年報. 32. 399-408 (1997)
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[Publications] A.Koyama&H.Dolles: "Does Agency Theory Fail to Explain Japanese Management Organization and Institution?" Contribution of EAMSA 14^<th> World Congress. (1997)