1997 Fiscal Year Annual Research Report
超有限ハイゼンベルク群のユニタリ表現と量子物理学への応用
Project/Area Number |
08454039
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小澤 正直 名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (40126313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安本 雅洋 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (10144114)
井原 俊輔 名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (00023200)
森本 宏 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (20115645)
松原 洋 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (30242788)
篠田 壽一 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (30022685)
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Keywords | Heisenberg群 / Schrodinger表現 / 超準解析学 / ユニタリ表現 / 量子力学 / Z_1飽和的超準宇宙 / 超準殻 / 位相作用素 |
Research Abstract |
非相対論的量子化はHeisenberg Lie群のSchrodinger表現に対応するが,この表現の本質的一意性によって,位置-運動量の正準対に対する量子化は可能であるが,量子数-位相に対する量子が不可能であることになり,位相の作用素表現をめぐる問題が議論されてきた.超有限Heisenger群の表現を考えることにより,さまざまなスケールにおける標準化によって,Heisenberg Lie群およびそれ以外の量子化に関連する群構造を統一的に構成できることが期待され,このことから,超有限Heisenberg群のユニタリ表現及びその部分表現を調べることが,量子化の問題に貢献することが期待される.νをN_1飽和的超準宇宙の無限大超自然数とする.ν次の超有限Heisenberg群Hはν^3個の元をもつ超有限群である.ν個の元からなる内集合K上の超複素数値内的関数の全体に,各点の重みΔ_xをもつ内的一様点測度から決まる内積を導入して得られるν次元内的ユニタリ空間をR(K,Δ_x)とする.Heisenberg Lie群のSchrodinger表現と同様の代数的関係で,R(K,Δ_x)上にHの内的Schrodinger表現W_<Δx>が定義され,その超準殻W^^<^>_<Δx>はR(K,Δ_x)の超準殻上のHのユニタリ表現になる.二つの異なるΔ_x,Δ_<x'>について,Δ_x/Δ_<x'>とΔ_<x'>/Δ_xが共に有限であるとき,W^^<^>_<Δx>とW^^<^>_<Δx'>はユニタリ同値になるが,それ以外の場合にユニタリ非同値な超有限Heisenberg群のユニタリ表現が得られると考えられる.実際に,Δ_x=1/√νのとき,Heisenberg Lie群のSchrodinger表現と同値な部分表現が得られ,これは位置-運動量量子化に対応するが,Δ_x=1のときには,量子数-位相量子化に対応する部分表現をもつユニタリ表現が得られた.この結果は,Schrodinger表現を拡大して,位相作用素を得るための有力な指針を与える.但し,二つの表現が非同値であることを大域的に示すことは未解決であり,次年度の課題として残された.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Masanao Ozawa: "Phase Operator Problem and Macroscopic Extension of Quantum Mechanics" Annals of Physics. 257・1. 65-83 (1997)
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[Publications] Masanao Ozawa: "An Operational Approach to Quantum State Reduction" Annals of Physics. 259・1. 121-137 (1997)
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[Publications] Masanao Ozawa: "Quantum Nondemolition Monitoring of Universal Quantum Computers" Physical Review Letters. 80・3. 631-634 (1998)
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[Publications] J.Shinoda: "Strong polynomial-time reducibility" Annals of Pure and Applied Logic. 84. 97-117 (1997)
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[Publications] D.Burke: "Ideals and combinatorial principles" Journal of Symbolic Logic. 62・1. 117-122 (1997)
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[Publications] H.Morimoto: "Evolutionary Game Theory with Mntations for Finite Populations" Studies in Informatics and sciences. 5. 117-130 (1997)