1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08454041
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
重川 一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00127234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 伸生 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40240303)
野村 隆昭 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30135511)
谷口 雅彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50108974)
岩崎 敷久 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70027374)
渡辺 信三 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90025297)
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Keywords | ループ群 / 確率微分方程式 / 無限次元解析 / 本質的自己共役性 / Ricci曲率 / スペクトル / 半群の比較定理 / 対数Sobolev不等式 |
Research Abstract |
ループ群上の確率解析に関して主にDirichlet形式の枠組みの中で研究を進めてきた.ループ群は無限次元多様体の構造を持ち,無限次元解析を行なう上での典型的な例を提供している.とくにDirichlet形式などの解析的な手法は一般性を持ち,空間が有限次元であることを必要としない場合が多く,無限次元の空間を扱う場合に有効である. ループ群上には共変微分や外微分など微分幾何的な作用素が定義され,そのスペクトル構造などの解明が大きな課題となっている.とくに無限次元空間において最も基本的な不等式である対数Sobolev不等式の成立が予想されているが,条件付測度の場合は未だ証明されていない.ここではこれらの解明を目指し,Hodge-Kodaira型Laplacianから生成される半群を研究対象として,半群に対する比較定理の一般論を展開した.微分形式等のベクトル値関数に作用する半群は一般に取扱が難しいが,スカラー関数に作用する半群との比較定理を用いることによりいろいろな評価をスカラーの場合に帰着できる.そこで半群に対する比較定理をsquare field operatorを用いて十分条件を与えた.この判定法はHodge-Kodaira型の作用素の場合は,共変微分の性質やRicci曲率によって与えられる.ループ群の場合は既にRicci曲率については計算してあるので,適応可能である. 比較定理の応用として,本質的自己共役性の問題も取扱うことが出来る.実際スカラーの場合の方法を比較定理と組合せることにより,ベクトル値の場合にも拡張することが出来る. 確率解析に関連した問題は,渡辺信三,吉田伸生によっても研究されている.渡辺はWiener空間上の分数巾Sobolev空間の枠組みで分布の正則性について精密化を行ない,吉田は格子スカラー場に対して対数Sobolev不等式が成立する条件を与えた. また,この科学研究費による研究集会を持ち,異なった問題意識を持つ研究者と研究交流を持ち,情報交換ならびに研究の深化を図ることが出来た.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] I.Shigekawa: "L^p contraction semigroups for vector valued functions" J.Funct.Anal.147. 69-108 (1997)
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[Publications] I.Shigekawa: "The Meyer inequality for the Ornstein-Uhlenbeck operator and the L^p multiplier" Proceedings of SAP'96, "Tends in probability and related analysis,". 273-288 (1997)
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[Publications] S.Watanabe: "Wiener functionls with the regularity of fractional order" New Trends in Stochstic Analysis,Proc.Taniguchi Workshop,1994. 416-429 (1997)
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[Publications] S.Watanabe: "Branching diffusions (superdiffusions) and random snakes" Trends in Probability and Related Analysis,Proc.SAP'96. 289-304 (1997)
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[Publications] N.Yoshida: "Relaxed criteria of the Dobrushin-Shlosman mixing condition" J.Stat.Phys.87・1/2. 293-309 (1997)
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[Publications] N.Yoshida: "Exponential relaxation of finite volume Glauber dynamics near the border of the one phase region" Trends in Ptobability and Related Analysis,the proceedings of SAP'96. 339-350 (1997)