1998 Fiscal Year Annual Research Report
X線を中心とした多波長観測による遠方銀河団と宇宙構造進化論の研究
Project/Area Number |
08454051
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鶴 剛 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10243007)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 勝二 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10092206)
|
Keywords | X線天文学 / 銀河・銀河団 |
Research Abstract |
z>0.6での、初期銀河から銀河団空間への重金属放出の過程を調べることが、銀河団進化を調べる上で極めて重要な意味を持つことが分かった。しかし、z>0.6での初期銀河を直接観測することは、現在のX線天文衛星のテクノロジーでは不可能である。そこで、初期銀河のプロトタイプとして考えられているスターバースト銀河のうち近傍のM82を観測している。「あすか」PVフェーズで観測された時のM82と、さらに以前に「ぎんが」衛星を用いて観測したM82では明るさに違いが見られた。そこで、1996年に「あすか」を用いて12回にも及ぶモニター観測を行った。その結果、3keV以下の銀河間空間に重金属を含む高温プラズマを放出しているX線成分については、時間変動が見られなかったにも関わらず、3keV以上では有為な時間変動を検出した。X線光度は3×10^<40>ergs/sec〜1×10^<41>ergs/secの間を10ksec〜月の時間スケールで変動していた。この成分のスペクトルの形は、有為に変化している。変動成分のみを取り出したスペクトルには10^<22>cm^<-2>の強い吸収が見られる。これらよりスターバースト銀河M82にはAGNが存在することが明らかになった。この結果は、1999年3月に東京で行われた"Heating and Accelarationin the Universe"で発表した。またPASJに投稿し間もなくアクセプトされる見込みである。
|
-
[Publications] Sakano et.al.: "The Hardest X-Ray Source in the ASCA Large Sky Survey" ApJ. 505. 129-133 (1998)
-
[Publications] Hattori et.al.: "Discovery of X-Ray Emission from the Distant Lensing Cluster" ApJ. 505. 593-598 (1998)
-
[Publications] Akiyama et.al.: "Optical Identification of the Hardest X-Ray Source in LSS" ApJ. 500. 173-180 (1998)