1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08454073
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
潮田 資勝 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (90176652)
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Keywords | TOF / 光電子分光 / 仕事関数 |
Research Abstract |
Si(100)2x1のCs吸着系 Csの吸着時間(露出量)の関数としてTDS分光とHe-Neレーザー光源による光電子放出電流の測定を行った。TDSの結果からCsは0.5モノレイヤー以下の被覆率では選択的にvalley bridge siteのみに吸着することがわかった。一方、He-Neレーザー光源(波長638nm)による光電子放出は1/3モノレイヤー以上のCs被覆領域でのみ観測された。文献によれば1/3モノレイヤーの吸着ではCsはvalley bridge siteの列に沿って二つ入って一つ抜けるように吸着している。この状態にさらにCsが吸着して三つ以上のCsが並ぶようになるとHe-Neレーザー光による光電子放出が起こるようになる。光電子放出強度は0.5モノレイヤーまで単調に増加するが、これはCsの吸着による仕事関数の低下によるものではないことが、波長820nmの光を用いたTOF光電子分光でわかった。すなわち、光電子スペクトルを観測すると、低エネルギー側のカットオフエネルギーおよびスペクトル形状はCsの被覆量にたいして変化しない。以上のことから、1/3モノレイヤー以下と以上では仕事関数はディジタルに変化している(連続的には変化していない)ことがわかる。 Csの吸着量が0.5モノレイヤー以上になるとpedestal siteへの吸着が始まり光電子放出電流は低下するが、光電子スペクトルの低エネルギー側のカットオフエネルギーは変化しない。この結果から、Csがpedestal siteへ吸着するとその周りの仕事関数が局所的に増加することがわかった。 清浄Cu(110)面 Cu(110)面は4.82eVの仕事関数を有し、これはチタンサファイアレーザーの3倍の高調波の同調範囲のほぼ中央に位置する。この系にたいするTOF光電子分光を行うためにレーザーから試料までの紫外光に対応する光学系を構築し、終了した。
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