1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08454081
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
磯山 悟朗 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80125989)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 龍好 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20273708)
奥田 修一 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (00142175)
|
Keywords | FEL / 遠赤外 / ライナック / ウイグラー / 増幅率 / 回折損失 |
Research Abstract |
利用を目指した遠赤外自由電子レーザー(FEL)の開発を目的として、大阪大学産業科学研究所のLバンドライナックを用いた自由電子レーザーの改造を進めている。 このFELで可能な限り広い波長範囲をカバーできるように波長領域とそこでの増幅率、および長波長領域で問題になる共振器内での光の回折損失を計算し、装置の各種パラメーターの最適化を図った。これらの計算により、(1)ウイグラーの基本波で30μmから少なくとも150μmの波長領域で動作可能、(2)3次の高調波の利用も可能、(3)波長に依らずウイグラーのK値が1.3付近で増幅率が最大になる、(4)長波長領域では3〜6倍のゲインが期待できる、(5)ウイグラー真空チャンバーによる回折損失は150μmで22%であることが分かった。 これらの計算に基づき磁極ギャップが40mm固定であったウイグラーを、ギャップが30から120mmの範囲で連続的に変えられるように改造した。最小ギャップではK=1.37であり、基本波で最大ゲインを与えるK=1.3より大きい。今までの最大の回折損失の原因であったウイグラー上流と下流の偏向磁石を改造してギャップを大きくし、真空チェンバーを鉛直方向のサイズが大きいものに作りかえた。光を空気中に取り出す窓として50μmより波長の長い領域では結晶石英を用いた。 この装置でFEL実験に利用する高輝度電子銃を用いて電子ビームエネルギー17MeVで発振実験を行った。ウイグラーのギャップを変えてレーザー波長を変えた。50μmより波長の長いレーザー光はGe.Ga検出器で測定した。その結果、40から87μmの波長範囲でのレーザー発振を観測した。
|
Research Products
(1 results)