1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08454113
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
木村 正廣 高知工科大学, 工学部, 教授 (40028238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 啓行 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60223179)
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Keywords | 微粒子 / イオントラップ / レーザー誘起蛍光 |
Research Abstract |
本研究の目的は、低温媒質中に交流電場の作用で色素分子を含む微粒子を蓄積し、色素分子のレーザー誘起蛍光スペクトルを測定することによって、微粒子と光との相互作用、分子と媒質との相互作用を壁の影響を除いた条件で調べようとするものである。当初の目的は超流動ヘリウムに設置したイオントラップに分子を蓄積して極低温分子の分光特性を研究することであったが、本研究代表者が新設機関に所属を変えたこともあり、液体ヘリウムを使える状況ではなくなったため大気圧のガス中でのトラッピングを行うことになった。 一昨年度に開発した平行平板型イオントラップは構造は単純であるが、レーザー光の入射や蛍光の観測が容易に行える構造になっている。このトラップの中心に、極微量の色素分子を溶かしたグリセリンの微小液滴を静止させ、レーザー誘起蛍光スペクトルを観測した。この球形微粒子の直径は数μmであるが、ディーゼルエンジンなどから放出され大気中に浮遊する微粒子などこれと同程度のサイズを持つ微粒子が近年注目されており、本研究はそのような微粒子の光学特性を解明するという目的をも併せ持つ。 色素分子を含む液滴微粒子の発光スペクトルは、微粒子のサイズで決まる特定の波長にピークを持つ構造となり、これらは微粒子を光共振器としたレーザー発振によるものであることがわかった。本実験では空間に浮遊させた液滴を対象としているため光共振器は理想的な球面になっている。この現象の特性を調べるために、発振スペクトルにおける微粒子のサイズ依存性、色素分子の濃度依存性、ポンプレーザーの強度依存性などを調べて発振条件を明らかにした。
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[Publications] 吉田雅昭: "液滴微粒子のイオントラップおよび光学測定" 質量分析総合討論会講演要旨集. 81-82 (1998)
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[Publications] 戸名正英: "イオントラップ中に蓄積した,色素分子を含む微小液滴の蛍光特性" 日本物理学会講演概要集. 53・2. 272-272 (1998)