1997 Fiscal Year Annual Research Report
高精度レーザー干渉計による表面波及び地球自由振動の観測
Project/Area Number |
08454121
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 功夫 名古屋大学, 理学部, 教授 (60022670)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 晶人 東京大学, 地震研究所, 助手 (30272503)
須田 直樹 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10222069)
|
Keywords | レーザー干渉計 / 表面波 / 地球自由振動 / 安定化レーザー |
Research Abstract |
本研究は地震動や地殻変動の水平動センサーとして高精度小規模レーザー干渉計を利用することを目的としている。今年度は前年度に引き続きレーザー光の波長安定化の実験を行なった。当初は干渉計を実際に観測壕に設置し計測を開始する予定であった。しかし、レーザー光源が実験途中で故障し、国内に代替製品のない外国製品のため修理に多大の時間を要したため、今年度中に設置することは不可能であった。波長安定化については室内実験の結果、当初の予定通りの精度を達成することに成功した。 レーザー光源はNd:YAG倍波レーザーを用い、安定化にはヨウ素の分子スペクトルを用いてフィードバックする方法を用いた。室内実験の結果、今年度は昨年度を2桁上回る10^<-11>の波長安定性が達成された。今後、同機種のレーザー光源を用いて波長安定性の相互チェックを行なうことにより10^<-12>の波長安定性が実現できると考えられる。 干渉システムはミラーをコントロールする方式とコーナーキューブを用いる方式とを室内実験で比較した。検討の結果、光軸調整の簡単化や永年変化の影響低減化のためコーナーキューブを用いる方式を実際の計測に採用することにした。また、十分な強度の干渉縞が得られることを確認した。 干渉真空容器はそのままでは大気圧変動の影響を受けるが、溶接ベローズを用いた緩衝装置によりその影響を除去する方法を採用した。排気系は排気量約150リットル毎秒のターボ分子ポンプを用い、補助ポンプであるロータリーポンプは振動の影響を避けるためのターボ分子ポンプから約15m離れた場所に設置した。真空テストの結果、現在の所10^<-5>Torrの真空度を達成した。また、溶接ベローズを用いた緩衝装置が大気圧の影響を軽減するのに有効なことを確認した。
|