1998 Fiscal Year Annual Research Report
GPS観測による伊豆諸島におけるテクトニクスの研究
Project/Area Number |
08454122
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木股 文昭 名古屋大学, 理学部, 助手 (10089849)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田部井 隆雄 高知大学, 理学部, 助教授 (40207220)
|
Keywords | GPS観測 / テクトニクス / 地殻変動 / 伊豆諸島 / プレート運動 / 火山活動 |
Research Abstract |
1. 伊豆諸島,フィリピン海プレート北端におけるプレート収束運動 本研究では1995年以降八丈島をはじめとする伊豆諸島で各島に1点ながらもGPS連続観測を,そして,駿河トラフに近接する銭州岩礁で繰り返しGPS観測を実施し,フィリピン海プレート北端部の水平変動を議論した.その結果,八丈島ではプレートモデルより推定されるプレート収束速度が時間的にもコンスタントに観測された.しかし,銭州では1996-1997年に北西方向,1997-1998年に西方向と45度も変化することが本研究から明らかになった.既存のVLBIやGPS観測から,フィリピン海プレートの収束速度は比較的に時間的にも一定と考えられてきたが,プレート境界のごく近傍域では時間的に揺らぐと考えられる.今後の確証が必要だが,ユーラシアプレート内における地殻変動の時間的な揺らぎの議論と密接に関連し,プレート間相互作用も含めて,プレート沈み込みモデルに関する新たな展開が期待できると期待する. 2. 伊豆諸島における火山活動に伴うローカルな地殻変動の検出 本研究では1995年以降に,三宅島,神津島,八丈島において島内にGPS観測網を設置し,繰り返し稠密GPS観測を実施し,プレート収束運動と関連する島内の局所変動を議論してきた.その結果,以下のような成果が得られた.以下の成果は火山活動とも関連し,今後の更なる研究が必要と考える. 1) 神津島では島周辺の群発地震と対応し,年間3cmに及ぶ島内変形が検出された.式根島・新島における水平変動も考慮に入れると,神津島北島沖,式根島・新島間と二つの圧力源が推定される.圧力源の位置と深さも含め,ちょうど群発地震域に対応している. 2) 三宅島では圧力源が1983年噴火時と同く,島南西部に推定され,膨張の地殻変動が進行している.一方,島の北東部では島南西東部と比較し地殻変動量は少ない. 3) 八丈島では地熱周辺域を除けば顕著な島内の地殻変動が観測されていない.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 木股文昭・仮屋新一・他: "GPS観測による神津島島内における地殻変動観測(1996年7月-1997年11月)" 火山. 44・1. 1-20 (1999)
-
[Publications] 木股文昭・山田晃子: "短基線における一周波GPS基線解の短期再現性" 測地学会誌. 44・1. 37-41 (1998)
-
[Publications] 田部井隆雄・瀬川爾朗・木股文昭: "銭州岩礁におけるGPS観測" 月刊地球. 号外. 印刷中 (1999)
-
[Publications] 川口星也・木股文昭・他: "GPS観測による八丈島島内における地殻水平変動(1996-1997)" 地球惑星科学関連学会1998年合同大会予稿集. 1. 100 (1998)