1998 Fiscal Year Annual Research Report
中高緯度における成層圏・対流圏間の3次元的物質輸送構造の解明
Project/Area Number |
08454125
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山崎 孝治 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (70270791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向川 均 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (20261349)
塩谷 雅人 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (50192604)
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Keywords | 物質輸送 / 成層圏 / 極渦 / 圏界面 / 水蒸気 / QBO |
Research Abstract |
赤道域で対流圏から成層圏に流入した大気は、中高緯度域で再び成層圏から対流圏へ環流しており、この交換過程は大気の熱バランスを考える上で重要なオゾンやオゾン生成のメカニズムと密接に関係した水蒸気等の微量成分の分布を決定づける役割を果たしている。当研究により成層圏・上部対流圏の子牛面循環の平均像と年々変動については、だいぶ理解が進んだ。以下に主な成果をあげる。 ・UARS衛星による微量成分鉛直分布の観測データから南半球冬季の極渦内の下降速度を見積もった。またQBO(準2年振動)に伴う赤道域の鉛直流変動を見積もり、温度変動との位相関係を示した。 ・客観解析データから亜熱帯域のQBOに伴う赤道とは逆の循環がデータ解析で初めて示した。またピナトゥボ火山噴火による循環の強化は全球的であることや極域の下降流の季節変化を定量的に示した。 ・成層圏への水蒸気の入り口はインドネシアのみであるというstratospheric fountain仮説は不必要であることを示した。 ・北大西洋における夏季の天候レジームの解析を行なった。 ・理想化された中層大気における循環及び水蒸気分布の研究を行なった。 最後の2点は本研究テーマには間接的ではあるが興味深い成果が得られた。しかし、成層圏・対流圏間の3次元的構造の研究についてはまだ緒についたばかりであり、モデルによる研究もまだ不十分である。今後の発展に期待したい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Seol.D.I.and K.Yamazaki: "QBO and Pinatubo signals in the mass flux at 100hPa and stratospheric circulation" Geophysical Research Letters. 25,10. 1641-1644 (1998)
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[Publications] Hayashi,H.,M.Shiotani and J.C.Gille: "Vertically stacked temperature disturbances near the equatorial stratopause as seen in crycgenic limb array etalcn spectrometer date" Journal of Geophysical Research. 103,D16. 19.469-19.483 (1998)