1998 Fiscal Year Annual Research Report
流星物質が中間圏大気に及ぼす影響のレーダー/ライダー同時観測による研究
Project/Area Number |
08454137
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
津田 敏隆 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (30115886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 琢也 信州大学, 工, 助手 (40273073)
山本 衛 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (20210560)
中村 卓司 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (40217857)
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Keywords | 中間圏界面 / 流星物質 / 流星レーダー / ナトリウムライダー / 大気光 / 中層・超高層大気 / 金属原子層 / スポラディックNa層 |
Research Abstract |
本研究では、MUレーダーによる高感度の流星観測を用いて、流星の大気への流入及びその時の背景の大気力学場を詳細に観測し、併せてナトリウムライダー観測や大気光観測による中層大気上部の大気微量成分の増減を測定し、中間圏大気の物質の変動と流星フラツクスや大気力学場の関係を探る事を目的とした。特に、流星起源であるナトリウムなどの金属原子が突発的に増大するスポラディックナトリウム層などの現象にも焦点をあて、その成因を探った。 1. ナトリウムライダーとMUレーダーの協同観測 MUレーダー流星観測とナトリウム・ライダーの同時観測から流星フラックス、大気の運動場、およびナトリウム層の時間、高度変化を捕らえた。その結果、スボラディックNa層と背景風シアの関係を明らかにした。また、大出現が予想されていた11月のしし座流星群の活動期には長時間のキャンペーン観測を実施し国内の中間圏界面領域研究グループ(PSMOSグループ)とも協同の観測を行った。その結果、極大予想1日前に大出現を観測したが、ナトリウム層を顕著に変化させるには至らず、ナトリウム層の変動には力学その他の効果が大きいことが示唆された。なお、このしし座流星群のレーダーデータは世界的にも貴重な大出現記録となっている。 2. 流星フラックスとナトリウム発光層、大気発光層の同時 観測 高感度CCDカメラを用いて流星出現領域の大気発光層を観測し、レーダー観測と併用することで、流星フラックスおよび大気力学的な現象が大気光に与える影響を研究した。その過程で、種々の大気重力波の振る舞いや季節変化を明らかにし、またナトリウムなどの大気光の強度変化を正確に求めるためのデータ処理法を開発した。大気光とその変動の季節変化を明らかにしたが、特に流星フラックスとの強い相関は得られていない。 3. 発表等 以上の成果は、学会、国際会議等で発表し、論文として投稿した。また、一部観測データはWWW上で公開した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nakamura, T.: "Propagation directions of gravity wave patterns observed in OH CCD images during the SEEK campaign" Geophys.Res.Lett.25. 1793-1796 (1998)
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[Publications] Takahashi, T.: "Simultaneous Measurements of Airglow OH Emission and Meteor Wind by a Sky Scanniong Photometer and the MU radar" J.Atmos.solar Terr.Phys. 60. 1649-1668 (1998)
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[Publications] Fujiwara,Y.: "Meteor Luminosity at 160 km Altitude from TV Observations for Bright Leonids Meteors" Geophys.Res.Lett.25. 285-289 (1998)
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[Publications] Kobayashi, K.: "Simultaneous measurements of dynamical structure in the mesopause region with lidars and MU radar" Earth Planets and Space. (印刷中). (1999)
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[Publications] Tsuda, T.: "Coordinated Observations of the Mesopause Region with Radar and Optical Techniques" Adv.Space Res.(印刷中). (1999)
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[Publications] Nakamura, T.: "A long term observation of gravity wave structures in OH airglow with a CCD imager at Shigaraki" Earth Planets and Space. (印刷中). (1999)