1996 Fiscal Year Annual Research Report
レニウム・オスミウム法による日本海形成時期のマントルプリュムと黒鉱鉱床の研究
Project/Area Number |
08454141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
寺門 靖高 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (30127378)
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Keywords | レニウム・オスミウム法 / 日本海形成 / マントルプリュム / 黒鉱鉱床 |
Research Abstract |
概ね申請書に記載の研究計画に沿って研究を行った.従って,質量分析計の改良と,レニウム・オスミウムの分離濃縮のための複雑な化学操作の予備的検討に終始した.質量分析計の改良については,まず,拡散ポンプをターボポンプに交換した。さらに,電磁石用電源を交換し磁場の安定性が約一桁向上した.このことにより,質量分解能の良くないレニウム・オスミウム酸化物のピークを的確に捕えることができるようになった.また,高精度のガウスメータを購入したことで,磁場の制御が行いやすくなったが,ヒステリシスのために,磁場強度と質量数の間にずれが生じているので,コンピュータのソフトでこのずれを補う工夫をした.高圧電源を改良し,負イオン法が行えるようになったが,安定性が悪くさらに改良を継続している.レニウム・オスミウムの分離濃縮のための予備的検討を試薬を用いて行った.オスミウムの分離のためのマイクロカラムの作製が今後の課題である.日本海沿岸地域の岩石および黒鉱試料の採取を行った.また,黒鉱については,標本の購入も行った.本年度の成果としては,レニウム・オスミウムの質量スペクトルが得られ同位体比測定できるようになったことである.コンピュータのソトに問題があり,高精度の測定のためにはさらにプログラムの改良が必要であるが,同位体希釈法による濃度の測定には使えるようになった.来年度は,これらの問題点を克服し岩石試料の測定を行う予定である.
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