1997 Fiscal Year Annual Research Report
琉球弧サンゴ礁海域におけるサンゴ礁泥(Lime mud)の沈殿過程。
Project/Area Number |
08454144
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山本 聰 琉球大学, 理学部, 教授 (50124855)
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Keywords | サンゴ礁泥 / 高マグネシウム方解石 / 高ストロンチウムアラレ石 / 続成作用 / 細粒化 |
Research Abstract |
2年目にあたる今年度も、サンゴ礁泥(Lime mud)を八重山諸島沿岸から採集した。特に石西礁湖内では礁湖のほぼ中央部にあたる水深20mぐらいの所からサンゴ礁泥の底質を採集することが出来、サンゴ礁泥の成因を良く理解することが出来た。 サンゴ礁泥のサンプルについては、引き続き走査電子顕微鏡などで観察し、粒子を構成するものがどのようなものであるかについて検討した。また、サンゴ礁泥について、X線回折や化学分析も行った。特に、炭酸塩分の抽出分析の結果、サンゴ礁泥には、高マグネシウム方解石(HMC)や高ストロンチウムアラレ石(HSA)が含まれているにもかかわらず、このHMCやHSA中のMg/Ca,Sr/Caの比は低くなっており、MgやSrがHMCやHSAから溶け出ていることが解った。つまりサンゴ礁泥の細粒の粒子に細粒化される際に、MgやSrが溶け出している。非常に早い段階の続成作用があることが解った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yamamoto,S.: "Scanning electron microscopic observation of lime mud recovered from a coral reef lagoonal basin,Manza Beach,the Okinawa Island,Jap." Jour.Sed.Soc.Japan. 44. 3-13 (1997)
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[Publications] Yamamoto,S.,and Zhu,Y: "Thenardite and gypsum precipitated in wall of brink building in campus of University of the Ryukyus,Okinawa" Jour.Sed.Soc.Japan. 46. 15-21 (1997)
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[Publications] 山本 聰: "シクライトの成因:サンゴ礁泥とココリス軟泥は何が違うのか" 月刊地球. v.20,no.4. (1998)
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[Publications] Yamamoto,S., and Yokoyama,Y.: "Monitoring on sedimentation behavior of terrigenous red soils through mooring and weather stations in coral-reef coastal area,the Okinawa Island" Proceedings,UNESCO/IOC/WESTIAC. (1998)
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[Publications] 山本 聰(分担): "堆積学辞典" 朝倉書店, (1998)