1998 Fiscal Year Annual Research Report
琉球弧サンゴ礁海域におけるサンゴ礁泥(Lime mud)の沈澱過程
Project/Area Number |
08454144
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山本 聰 琉球大学, 理学部, 教授 (50124855)
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Keywords | サンゴ礁粘土 / Lime clay / 高マグネシウム方解石 / 穿孔 |
Research Abstract |
研究の最終年度は主に、サンゴ礁粘土(Lime clay)の成因の解明のために、全力がそそがれた。つまり、本研究で、八重山諸島、竹富島のコントイ浜の潮間帯、石灰岩より、初めてサンゴ礁粘土(Lime clay)の存在が確認された。昨年度、潮間帯石灰岩を調査中に偶然発見されたものであるが、その産状を確認するため本年度も再び竹富島を調査した。 石灰岩やAcroporaのサンゴ骨格中に、約5〜10cmの長さのパロチとして産出する。Lime clayは非常に細粒の炭酸塩である。そして、まわりの石灰岩や、サンゴ骨格の組成のいかんにかかわらずこのLime clayは一定の炭酸塩鉱物組成を行うことが解った。つまり、高マグネシウム方解石(HMC)を約80%、高ストロンシウムアウレ名(HSA)を約10%含んでいる。この結果、Lime clayは、石灰岩やサンゴ骨格を穿孔(Boring)した穴の中で海水からかなり無機的にHMCが沈澱して生成されたものであることが判明した。 このようなLime clayはLime mudの細かい粘土分の供給源として重要であり、今後ともこの生成・成因に関する研究は続行されることが望まれる。
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[Publications] 山本 聰: "ミクライトの成因:サンゴ礁泥とココリス軟泥は何が違うのか" 月刊地球. V.20 no.4. 224-229 (1998)
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[Publications] Yamamoto,S.,and Ishihara,N.: "Elemental Composition of lime mud recovered from coral reef lagoonal basins,the Yaeyama Islands,Okinawa,Japan" Journal of Sedimentological Society of Japan. No.48. 45-54 (1998)
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[Publications] Yamamoto,S.,and Yokoyama,Y.: "Monitoring on sedimentation behavior of terrigenous red soils through mooring and weather station in coral-reef coastal area,the Okinawa Island,Japan" Proceedings,IOC/WEST PAC. (発表予定). (1999)
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[Publications] 堆積学研究会: "堆積学辞典" 朝倉書店, 470 (1998)