1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08454171
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大澤 雅俊 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (00108466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安宅 憲一 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助手 (80281848)
大森 唯義 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助手 (40001721)
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Keywords | 固液界面反応 / 電気二重層 / ダイナミクス / その場測定 / 表面増強赤外分光 / 単結晶電極 |
Research Abstract |
本研究は,電気化学やその他多くの固液界面反応系で反応の場となる電気二重構造の解明を目指すものである。これを実現するためには,界面のみを選択的にかつ"その場"で直接観察することが重要であり,新しい手法を駆使することが重要である。本年度は,申請者等が開発した表面増強赤外吸収分光(SEIRAS)を主たる手段として,単結晶金電極における水分子の配向変化,アニオン種の吸着脱離挙動を検討した。 1.単結晶電極の作成:単結晶微粒子からなるSEIRAS用の蒸着薄膜電極の作成が可能になった。微粒子表面は広い(111)テラスとステップから構成されており,その電気化学特性が大きなサイズの単結晶電極と変わらないことを確認した。これにより,SEIRASで得られる分子振動情報と,これまですでに報告されている多くの他の手法で得られた情報の直接比較が可能になった。 2.電位による水の配向変化とイオン吸着:硫酸中のAu (111)電極表面における水分子の挙動が吸着した硫酸イオンの影響を強く受けることを明かにした。また,STM観察から硫酸イオンとヒドロニウムイオンが共吸着するという従来提案されていたモデルが誤りであることを示した。また,金属イオンのアンダーポテンシャル析出の際の界面構造変化を明かにした。 3.電気二重層構造変化のダイナミクス:電位を変化させたときに過渡電流が流れる。この過程をマイクロ秒の時間分解SEIRASで追跡し,水分子の配向変化による界面容量の変化,ならびにアニオン種の吸着・放電による電流であることを実験的に始めて示した。 本年度の目標として,STM測定技術の確立と,FT-EMIRSなる新しい手法の開発を掲げた。前者は確実に達成されつつあるが,後者に関しては開発途上であり,次年度繰越とする。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Osawa: "Potential-Dependent Reorientation of Water Molecules at an Electrode/Electrolyte Interface Studied by Surface-Enhanced Infrared Absorption Spectroscopy" J.Phys.Chem.10664-10672 (1996)
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[Publications] 大澤雅俊: "赤外分光法による電極反応過程のダイナミクス測定" 電気化学. 64. 957-961 (1996)
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[Publications] 大澤雅俊: "時間分解赤外分光による電極表面の解析" 触媒. 38. 534-541 (1996)
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[Publications] M.Osawa: "In Situ and Real-time Surface-Enhanced Infrared Study of Electrochemical Reactions" Apple.Spectrosc.51(印刷中). (1997)
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[Publications] M.Osawa: "Two-Dimensional Infrared Correlation Analysis of Electrochemical Reactions" J.Electroanal.Chem.(印刷中). (1997)
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[Publications] M.Osawa: "Electrode Processes VI (Proceedings Volume 96-8) Eds.A.Wiekowski and K.Itaya" Electrochemical Society, Inc., 11 (1996)