1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08454186
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
城丸 春夫 東京都立大学, 理学部, 助教授 (70196632)
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Keywords | 多価イオン / ECR / クーロン爆発 / 分子構造 / 多次元検出 / 窒素 / N_2O / コインシデンス |
Research Abstract |
都立大の多価イオン源(TMU-ECRIS)において、8価のアルゴンイオンを原子、分子に衝突させ、多電子捕獲反応による生成物を電場で引き出して多次元検出を行った。アルゴン原子との衝突においては7電子移行までを観測し、その2次元イメージの観測から多電子移行では入射イオンとの相互作用が像に影響を与えることを確認した。窒素分子、N20分子のクーロン爆発実験ではフラグメントイオンのコインシデンスマップを作成した。窒素分子においては1価-1価、1価-2価、2価-3価、3価-3価に分裂したフラグメントのコインシデンス信号が得られたが、1価-3価のように不均等に電荷が分かれる反応は見いだされなかった。一方N20の爆発においては窒素の1価-3価のコインシデンス信号も得られた。また従来使用していた多次元検出器は小さすぎ、爆発生成物を一部しか検出できないことが明らかになった。そのため大型の多次元検出システムを新たに制作した。現在はまだ性能評価の段階であるが、引き出し方向と垂直に配向している分子の爆発生成物が新たに検出されており、検出可能なイベント数が大幅に増加したことがわかった。また分子構造と配向から飛行時間と2次元イメージを予測するシミュレーションプログラムを作成し、実測の結果が単純なクーロン爆発モデルと良く一致することを示した。クラスター源の製作に関しては今年度大型のターボ分子ポンプを購入し、予備実験用真空装置の製作を行った。これらの結果の一部は国際学会等で報告するとともに論文として発表(印刷中)した。
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Research Products
(1 results)