1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08454187
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Research Institution | TOKYO METROPOLITAN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
菊地 耕一 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (40177796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 政俊 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (60183927)
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Keywords | 有機伝導体 / 直接観察 / 成長初期過程 / 結晶成長 / STM・AFM |
Research Abstract |
新たな有機超伝導体を開発する上で、結晶成長を制御することは重要なことである。本研究の目的は、成長初期段階においてSTM・AFMシステムにより結晶を直接観察することにより成長過程を解明することにある。本年度は、電気化学用アプリケーションセットを装着したSTM・AFMシステムNano ScopeIIを用いて、ET2I3塩のα、β、κ相の結晶の直接観察を行った。測定に用いた試料の質が良くないためか、分解能が高い鮮明な画像を得ることは困難であり、観察結果より結晶形に関する情報を得ることに成功していない。また、実際に白金電極を用いてSTM・AFMシステムのセル中で結晶成長を行い、直接観察を試みた。現在の所、画像の質など問題が残されており、対策を検討しており、本研究課題の研究期間は終了するが、今後も成長初期段階の結晶の直接観察を目指して研究を続行する予定である。一方、本研究の目的でもある新たな有機超伝導体の開発においては、従来の設計指針とは異なるような系において成果を得た。一つは、結晶中では、立体障害となりうるバルキーなジオキ酸基をもつDOET誘導体のラジカル塩においては選択的にβ型の結晶形をとり、このため、立体障害を回避することが可能であることを見出した。このことは新たな官能基を導入することにより複合機能を有する有機超伝導体に繋がることが期待され、結晶成長の観点からも興味が持たれる系と言えよう。また、TTF骨格の一部を飽和させた疑似TTFドナーであるMDHTとEDDT-TTPのラジカル塩の構造を解析した結果、後者の塩では選択的にκ型の結晶構造を取ることを見いだした。この系も結晶成長の観点からも興味が持たれる系である。特にET2Cu(SCN)2の結晶成長と異なり、クラウンエーテルなどを必要としないので、その結晶成長過程を観察するためには最適な系と言える。
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[Publications] H.Yoshino: ""In-Plane Angular Effect of Magnetoresistance of Quasi-One-Dunensional Organic Metals"" J.Phys.Soc.Jpn.66・8. 2410-2418 (1997)
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[Publications] J.Yamada: ""New Organic Metals based on a BEDT-TTF Derivative with steric hindrance"" J.Matter.Chem.7・8. 1311-1312 (1997)