1997 Fiscal Year Annual Research Report
ケイ素の効果を活用した新規大員環炭素骨格構築法の開発
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08454198
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
桑嶋 功 東京工業大学, 理学部, 教授 (50016086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷野 圭持 東京工業大学, 理学部, 助手 (40217146)
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Keywords | 立体特異的[3+2]環化付加反応 / 中及び大員環炭素骨格構築法 / オキサシラシクロアルカン / ポリオールの立体選択的合成 / インゲノール |
Research Abstract |
前年度に引き続いて、3-(アルキルチオ)-2-(シロキシ)及び3-(アルキルチオ)-2-(シリルメチル)アリルアセタートを3炭素源とする[3+2]環化付加反応について検討し、ビニルスルフィドを2炭素源として用いた場合には、反応は位置選択性に加えて、立体化学も完全に制御できることを見い出し、ビニルスルフィドの硫黄原子が持つ大きなHOMO係数を勘案したユニークな反応遷移状態を仮定することによって、この立体選択性を説明できることを明らかにした。さらに、この成果を基盤として、トリキナン型天然物であるコリオリンの不斉全合成を達成すると共に、ペンタレノラクトンG合成についても検討を加え、その重要中間体をを合成した。 この概念を分子内反応に適用し、適当な求核部位を持つ鎖状3-(アルキルチオ)アリルアセタートを設計し、この位置選択的環化による中及び大員環炭素骨格構築法を開発した。さらに、この手法を利用する大環状炭素骨格を含む天然物の合成について検討中である。 5-フェニルチオ-3-ペンテノールを出発物質とし、ケイ素の特徴を活用してオキサシラシクロペンタン、-シクロヘキサン及び-シクロヘプタンの立体選択的構築法を開発し、各々立体選択的に対応するポリオールに導けることを明らかにした。 さらに、特異な炭素骨格と生理活性を示すことから合成化学的に広く注目されているインゲノールの炭素骨格構築法の開発を目指して、環化と炭素骨格転位を伴う一段階分子変換法を設計し、種々の条件下で検討した結果、この特異な炭素骨格の極めて有効な構築法を開発した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] I.Kuwajima: "Highly Efficient Method for Coriolin Synthesis" Tetrahedron Lett.38・No.3. 465-468 (1997)
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[Publications] I.Kuwajima: "A New Approach for Ingenol Synthesis" J. Org. Chem.62・No.10. 3032-3033 (1997)
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[Publications] I.Kuwajima: "Control of Stereochemistry by σ-Participation of a Silyl Group. Novel Ring Expansion Reactions of a 1-Oxa-2-Silacyclopentane derivative" J. Org. Chem.62・No.13. 4206-4207 (1997)
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[Publications] I.Kuwajima: "Highly Regio-and Stereoselective [3+2] Cyclopentanone Annulation Using a 3-(Alkylthio)-2-siloxyallyl Cationic Species" J. Am. Chem. Soc.,. (in press).
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[Publications] I.Kuwajima: "A Novel Method for Inside Selective Silylation of 1, 2-Diols" J. Org. Chem.,. (in press).