1997 Fiscal Year Annual Research Report
キラル配位子を有する新規な金属錯体を用いる不斉反応の研究
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08454202
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小国 信樹 山口大学, 理学部, 教授 (60028165)
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Keywords | β-アミノアルコール / キラルなシッフ塩基 / L-バリノール / アルデヒド / 不斉とリルシアノ化 / ジケテン / ジメチル亜鉛 / コレステロール低下剤 |
Research Abstract |
天然光学活性アミノ酸の還元によって容易に得られるキラルなβ-アミノアルコールと2-t-ブチルサリシルアルデヒドとの縮合によって得られるキラルなシッフ塩基は種々の金属錯体を形成することができる.その中でもこれまでチタン錯体はまったく知られていなかった.私はL-バリノールから得られるシッフ塩基とチタンアルコキシドとの反応により世界で始めてキラルなシッフ塩基のチタン錯体を合成して、種々の触媒反応を研究した結果、この錯体が種々の不斉反応の優れた触媒となることを発見した.不斉反応としては(1)アルデヒド類の不斉シリルシアノ化反応よにる光学活性シアノヒドリンの合成反応、(2)アルデヒド類へのジケテンの不斉付加反応による光学活性5-ヒドロキシ-3-ケトエステルの合成反応、(3)3-トリメチルシリルプロピナ-ルのジメチル亜鉛による不斉メチル化に有効であった.基質に対する触媒の量は(1)では20mol%,(2)では100mol%,(3)では5mol%で高い化学収率で反応が進んだ.不斉収率はいずれもベンズアルデヒドとの反応で85%以上であった.最近(2)の反応において、反応系にチタンアルコキシドを基質と等量使用することにより触媒を20mol%に現象させても、高い化学収率で高い不斉収率を保って生成物を与えることを見い出した.またL-バリノールに代わってt-ロイシノールを出発原料とするシッフ塩基のチタン錯体を触媒に用いることにより、従来よりはるかに高い化学収率および不斉収率で生成物を与えることを発見した.(1)の反応生成物はα-アミノ酸、β-アミノアルコール、α-オキシ酸などの合成原料となる.(2)の反応生成物はコレステロール低下剤としての新しい医薬品の合成原料として有望視されており、(3)の反応生成物はリュウマチの新薬の合成原料である.このように著者の発見した不斉触媒反応は新しい有機合成方法の発見にとどまらず、応用面でも注目されている.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 小国信樹: "キラルなルイス酸触媒反応-特にチタン錯体触媒を中心に-" 化学と工業. 50. 1492-1495 (1997)
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[Publications] N.Oguni and K.Hayashi: "Enantioselective desymmetrization reaction of cyclohexene oxide with primary amines." Synlett.(in press). (1998)
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[Publications] N.Oguni: "Lewis Acid Reagents : A Practical Approach″" Oxford University Press, (1998)
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[Publications] N.Oguni: "Metal Catalyzed Addition of Cyanide to Aldehydes ″Transition Metals for Fine Chemicals and Organic Synthesis″" VCH Publishers, (1998)