1998 Fiscal Year Annual Research Report
キラル配位子を有する新規な金属錯体を用いる不斉反応の研究
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08454202
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小国 信樹 山口大学, 理学部, 教授 (60028165)
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Keywords | 不斉触媒反応 / 光学活性化合物 / キラルなシッフ塩基 / チタン錯体 / 不斉シリルシアノ化反応 / ジケテン / 不斉開環反応 / フェニルリチウム |
Research Abstract |
本研究代表者はすでに新規なキラルシッフ塩基を分子設計して、チタン錯体を種々合成して、その構造を研究して種々の有機合成反応用いて新規な不斉触媒反応を見い出してきた。その不斉反応の一つはアルデヒド類の不斉シリルシアノ化反応である。芳香族およびαβ不飽和アルデヒドとシリルシアニドとの触媒反応において90%以上の光学純度で生成物であるシアノヒドリンを得ることに成功した。 本科学研究費による研究は上記の研究に引き続いてキラルなシッフ塩基の金属錯体の新しい不斉触媒反応への発展を意図したものであった。第一番目はジケテンとアルデヒド類との反応による5-ヒドロキシ-3-ケトエステル合成への応用である。光学活性生成物はコレステロール低下剤としての医薬品の原料となることから注目された。詳しい研究の結果、キラルなシッフ塩基20モル%の使用で、チタン化合物を触媒として化学収率80%以上、不斉収率90%以上で生成物を得ることができた。 次の研究は以前から続けている対称化合物の不斉非対称化反応の発展として、キラルなシッフ塩基がシスエポキシドの不斉開環アリール化に有効な触媒となることを半年の幅広い研究の結果大発見したものである。この発見は世界で初めての90%以上の光学活性トランス-2-アリールアルコールを与える高度な不斉触媒アリール化である。生成物を用いるジアステレオ選択不斉反応による医薬品その他の有機合成がすでに知られている。現在特許を申請中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] M.Hayashi,K.Ono,H.Hoshimi,N.Oguni,: "Asymmetric ring opening reaction of symmetrical N-Acylaziridines with thiols catalyzed by chiral dialkyl tartrate-diethylzinc complexes." Tetrahedron. 52. 7817-7832 (1996)
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[Publications] 小国信樹: "対称化合物の非対称化操作-特に不斉触媒による環状化合物の開環." 有機合成化学協会誌、. 54. 829-835 (1996)
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[Publications] N.Oguni,K.Tanak,H.Ishida,: "Catalytic enantioselective reaction of dikatene with aldehydes catalyzedby chiral schiff base-titanium alkoxide complexes." Synlett. 601-602 (1998)
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[Publications] N.Oguni,Y.Miyagi,K.Itoh,: "Highly enantioselective arylation of symmetrical epoxides with phenyllithium promoted by chiral schiff bases and salens." Tetrahedron Letters,. 39. 9023-9026 (1998)
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[Publications] N.Oguni,N.Satoh,: "Highly enantioselective methylation of 3-trimethylsilylpropanal with dimethylzinc catalyzed by chiral schiff base-titanium complexes." Tetrahedron Letters,. 40(印刷中). (1999)
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[Publications] N.Oguni: "Metal Catalyzed Addition of Cyanides to Aldehydes.in “Transition metal for Organic Synthesis"Ed.M.Beller,C.Bolm" Wiley-VCH, 6 (1998)
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[Publications] N.Oguni: "Zinc(II)Reagents.in “Lewis Acid Reagents.A Practical Approach"Ed.H.Yamamoto." Oxford University Press,23 (1998)