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1997 Fiscal Year Annual Research Report

溶媒の熱揺らぎまで考慮した有機反応機構論の構築

Research Project

Project/Area Number 08454204
Research InstitutionKYUSHU UNIVERSITY

Principal Investigator

浅野 努  九州大学, 有機化学基礎研究センター, 教授 (40094057)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 住 斉  筑波大学, 物質工学系, 教授 (10134206)
Keywords反応速度 / 溶媒粘度 / 圧力効果 / 動的溶媒効果 / 溶媒の熱揺らぎ
Research Abstract

1.運動の内部自由度が小さい分子に関する測定
N.N-dimethylindigo(DMIG)を合成し、そのZ/E異性化反応速度をglycerol triacetate(GTA)中で測定した。その結果、この化合物の反応速度の粘度依存係数は理論からの予想とは異なり、1に近づかないことが明かになった。またこの反応は高粘性条件下で1次反応速度式に従わないことも判明した。
2.正電荷を帯びた反応分子に関する測定
3,3′-diethyloxacarbocyanine iodide(DOCI)についてそのZ/E異性化反応速度を2-methyl-2,4-pentanediol(MPD)中で測定した。その結果、速度の粘度依存性は電荷を持っていない化合物と極めて類似していることが明かになった。
3.電荷消滅を伴う反応に関する測定
1,3-dihydro-1,3,3-trimethylspiro[2H-indole-2,3′-[3H]naphth[2,1-b][1,4]oxazine(SNOZ)におけるZ/E異性化速度の溶媒粘度依存性の測定をMPD中で行った。その結果、この化合物では他の化合物では遷移状態理論が成立している比較的低い粘度においても溶媒粘度の影響が現われることが明かになった。
4.理論的検討
i)Biswas-Bagchi論文の検証:1次元反応座標モデルの改良によるBiswas-Bagchiの予想、高粘性における反応速度は溶媒粘度の対数に反比例する、は我々の実験結果においては成立しないことを明かにした。
ii)1次速度式に従わない理由:高粘性では光反応によって生成した(Z)-DMIGがBoltzmann分布し得ないことがその理由であると結論された。
iii)電荷の効果:反応分子上の電荷と活性化過程におけるその変化が反応速度の粘度依存性に及ぼす影響については今のところ詳細な解析はできていない。今後の問題であり、更に実験を継続することが必要である。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] H.Sumi: "General Expression for Rates of Solution Reactions Influenced by Slow Solvent Fluctuations,and Its Experimental Evidence" Electrochim.Acta. 42・18. 2763-2777 (1997)

  • [Publications] A.Drljaca: "Activation and Reaction Volumes in Solution 3." Chemical Reviews. 98・(in press). (1998)

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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