1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08454207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 翼 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90007328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 正 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40230362)
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Keywords | 白金錯体 / 白金クラスター / 三角形型クラスター |
Research Abstract |
本研究は,筆者らが偶然に初めて見出した三角形型のクラスター骨格を含む白金II価クラスター錯体について,このタイプの新規化合物の合成,構造,反応性,電子構造などその化学を総合的に研究することを目的とするものである.本年度の研究により,以下の成果が得られた. 1.新規白金II価三核クラスター錯体の合成.つぎの二つの方法により合成研究を行った. (1)白金II価四核クラスター錯体[Pt_4(CH_3COO)_8]の骨格変換反応に基づく合成.ジフェニルグリオキシム(dpgH_2),ベンゾキノンジオキシム(bqdH_2),および,N,N"-ジメチルエチレンジアミン(Me_2en)と四核錯体[Pt_4(CH_3COO)_8]を反応させることにより,それぞれ新規三核錯体[Pt_3(CH_3COO)_4(dpgH)_2-(dpgH_2)],[Pt_3(CH_3COO)_4)(bqdH)_2(bqdH_2)],[Pt_3(CH_3COO)_4(Me_2en)_3]を合成・単離することに成功した. (2)白金II価三核クラスター錯体の面内配位子置換に基づく新規錯体の合成.本研究以前に筆者らが単離していた三核錯体および上記(1)で得られた三核錯体を利用して種々試行した結果,エチレンジアミン(en)を含む新規三核錯体[[Pt_3(CH_3COO)_4(en)_3]合成単離に成功した.また,上述した、[Pt_3(CH_3COO)_4(Me_2en)_3]もこの手法により合成できることが明らかとなった. 2.^<195>Pt-,^<131>C-,^1H-NMRに基づく分子構造,電子構造に関する研究. いずれの三核錯体においても,クラスター骨格は二等辺三角形型であり,分子内に2回軸をもつ構造をとっている.スピン-スピン結合定数J_<Pt-Pt>の大きさは7500〜8000Hzとかなり大きく,白金間に直接接合をもつことを示唆している. 3.置換反応性に関する研究を行い,つぎの知見を得た. (1)グリオキシム類を含む錯体は,水素結合の存在のため,[Pt_4(CH_3COO)_8]に比べ反応性が著しく低い. (2)しかし,より配位性の強いエチレンジアミン類より面内置換は不可能ではない.
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