1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08454219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
鈴木 和也 横浜国立大学, 工学研究科, 助教授 (80206466)
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Keywords | マイクロチューブ / ナノチューブ / 層間化合物 / ボロンカーバイド / マイクロマシン / 格子不整合 |
Research Abstract |
層状化合物において層の両端を結合させればチューブ状の結晶となる。このようなチューブ状結晶を開発するため、格子不整合を有する化合物(RS)_x(TS_2)_n(R:希土類金属、T:Ti,V,Cr,Nb,Ta,N:1,2)及びグラファイト類似の2次元骨格を持つRB_2C_2,RB_2Cを用いてチューブ状結晶の成長を行った。前者の化合物においては現在まで計10種類のマイクロチューブ状結晶が成長することを走査電子顕微鏡により見いだした。このチューブ結晶の成長はRSとTS_2の2種の副格子が互いに格子不整合になる方向に、積層による格子ひずみを解放するために湾曲した結果であると考えられる。R元素の種類を変えることにより格子の不整合性を制御できるが、格子の不整合性が簡単な整数比である整合値に極めて近いときにチューブ状結晶が容易に成長することが明らかになった。電子顕微鏡によって観察されたチューブの内径は最低で約0.3Åであり、この曲率半径以下ではチューブを形成しない。この最低曲率半径は格子の不整合性と密接に関係していると思われる。またチューブの長さは最大5ミリ程度になり、化学的にも安定なことから、マイクロシリンダー、マイクロマシンの部品としての応用が可能と思われる。一方、ホウ素-炭素化合物系を炭素棒中に埋め込み、アーク溶解させることにより、カーボンナノチューブと同様のナノチューブ状結晶が得られた。この結晶は電子線回析によりカーボンナノチューブと異なる構造を持つと推定された。
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