1997 Fiscal Year Annual Research Report
高密度イオン性界面を反応場とするイオン反応の反応メカニズムの解明
Project/Area Number |
08454237
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宮島 徹 九州大学, 理学部, 助教授 (40128103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 慎一 九州大学, 理学部, 教授 (80111673)
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Keywords | 高分子電解質 / イオン交換 / 錯平衡 / 疎水性 / 親水性 |
Research Abstract |
強酸性高分子イオン存在下でのFe^<2+>/[Co(NH_3)_5Cl]^<2+>電子移動反応促進効果 ポリビニルスルホン酸イオンおよびポリスチレンスルホン酸イオン存在下でのFe^<2+>/[Co(NH_3)_5Cl]^<2+>電子移動反応の促進効果を高分子電解質相体積を仮定する2相モデルにより解析した。 弱酸性高分子イオンの酸解離平衡および錯平衡 ポリアクリル酸の酸解離平衡および錯平衡を過剰のテトラアルキルアンモニウムイオンの存在下で研究した。これらの対陽イオン結合平衡は添加イオンの疎水性の増加に伴い著しく促進された。 弱塩基性高分子イオンの酸解離平衡および錯平衡 ポリビニルイミダゾール(PVIm)およびポリアリルアミンの共役酸の酸解離反応を滴定カロリメトリー法により調べた。酸解離に伴うエンタルピー変化は共役酸の解離度には影響されるが、支持塩濃度には全く依存せず、自由エネルギーの支持塩濃度依存性はエントロピー変化のみによることが明らかになった。更にこのエンタルピー変化の解離度依存性は官能基および対陰イオンの疎水性によって決定されることが見出された。この結果、正電荷を帯びた塩基性基と陰イオンとの直接的相互作用の存在が明かとなった。 弱塩基性高分子イオンの錯平衡 PVImとAg^+,Cu^<2+>,およびCd^<2+>イオンの錯平衡を電位差滴定法により研究し、錯種の化学形および錯平衡定数を決定した。 強塩基性高分子イオンおよびそのゲルへの疎水性錯体の吸着 ポリビニルペンジルアンモニウムイオン(PVBTMA)およびその架橋体である強塩基性陰イオン交換樹脂(Dowex1)へのCo^<2+>/SCN^-錯体の吸着挙動を分光光度法により調べた。完全配位錯体[Co(NCS)_4]^<2->のみの生成が確認された。このイオン交換基と[Co(NCS)_4]^<2->の疎水的相互作用は陰イオンの疎水性により著しく強められることが明かとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Kodama: "On the Catalytic Effect of Inorganic Pyrophoshate Anions on the Electron-Transfer Reaction of Fe^<2+>/[Co(NH_3)_5Cl]^<2+> system" Phosphorous Res.Bull.6巻. 159-162 (1996)
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[Publications] T.Miyajima: "Analysis of Complexation Equilibria of Polyacrylic Acid by a Donnan-Based Concept." J.Colloid Interface Sci.187巻. 259-266 (1997)
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[Publications] Y.Umebayashi: "Thiocyanato and Iodo Complexation of Cadmium(II)Ions in Micellar Solutions of a Nonionic Surfactant Triton X-100." J.Colloid Interface Sci.191巻. 391-397 (1997)
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[Publications] H.Kodama: "A Unified Analytical Treatment of the Acid-dissociation Equilibria of Weakly Acidic Linear Polyelectrolytes and the Conjugate Acids of Weakly Basic Linear Polyelectrolytes." Colloid.Polym.Sci.275巻. 938-945 (1997)