1997 Fiscal Year Annual Research Report
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08454254
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
佐藤 直樹 埼玉大学, 理学部, 教授 (40154075)
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Keywords | 葉緑体核様体 / DNA結合タンパク質 |
Research Abstract |
葉緑体DNA(cpDNA)は数多くのタンパク質とともに高次の複合体(葉緑体核様体)を形成しており,これがcpDNAの機能的な単位となっている。核様体はプラスチドから葉緑体等への分化の過程で,ダイナミックな形態変化を遂げ,特に,盛んに複製される時期には,プラスチド包膜に結合する。こうした動的変化の基礎となる,葉緑体核様体の基本的な構造を明らかにするため,核様体を構成するタンパク質のcDNAの単離と核様体構成成分の集合状態の分析を行った。 1。プラスチド核様体を構成するタンパク質は,植物の発達に伴って著しく変化することがわかった。プラスチド核様体から塩処理により遊離される70kDaタンパク質についてウェスタン法で調べたところ,エチオプラスト核様体では主成分であるが,葉緑体の発達に伴って,存在量が減少することがわかった。また,包膜に存在するDNA結合タンパク質PENDタンパク質のcDNA単離し,その性質を調べた。 2。若い核様体に対する抗体を用いてcDNAライブラリの発現スクリーニングを行い,10個の新規cDNAクローンを得た。 3。以前の研究で得られていたPDlが,50kDaの核様体タンパク質をコードしていることがわかった。また,PD3も核様体タンパク質をコードするが,さらに,200kDaの前駆体から,プロセシングにより,N末端側の130kDaとC末端側の60kDaのヘプチドが生ずること,根粒では,別のプロセシングにより,N末端側の55kDaのペプチドだけが存在することが判明した。なお,PDl,PD3タンパク質は核様体を塩処理しても容易には遊離せず,特別な構造をつくっていることが考えられた。 以上,核様体の構造は極めて複雑であること,その構成が植物の発達に伴い変化することを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sato,N. 他4名: "Dynamics of localization and protein composition of plastid nucleoid in light-grown pea seedlings." Protoplasma. 200. 163-173 (1997)
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[Publications] Sato, 他6名: "Molecular characterization of the PEND protein, anovel bZIP protein present in the envelope membrane that is the site of nucleoid replication in developing plastids." Plant cell. (印刷中). (1998)