1998 Fiscal Year Annual Research Report
テトラヒメナの分裂停止突然変異株を利用した細胞質分裂の分子桟構の解明
Project/Area Number |
08454272
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Research Institution | Jobu University |
Principal Investigator |
渡邉 良雄 上武大学, 商学部・教授(現在学長) (00015918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼田 治 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (50189354)
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Keywords | テトラヒメナ / 細胞質分裂 / 分裂停止突然変異株 / p85遺伝子 / アクチン繊維束化因子 / EF-1α / Ca^<2+> / カルモデュリン / 分裂開始シグナル |
Research Abstract |
分裂面決定因子(cdaAの遺伝子産物=P85と仮称)は、遺伝子のクローニングとシークエンシングの結果、N-末端に3つの繰り返し配列、C-末端に別の2つの繰り返し配列を持ち今まで知られないものであった。しかし、N-末側の3つの繰り返し配列には、Ca^<2+>カルモデュリン依存プロテインキナーゼと高いホモロジーを持つ配列があり、特にカルモデュリン結合ドメインは良く保存されていた。実際、カルモデュリン親和カラムを用いてp85との相互作用を調べたところ、予想通りカリモデュリンとCa^<2+>依存的に結合することが判明した。また、p85もカルモデュリンも分裂予定赤道面に分裂直前に共局在することも判った。カルモデュリンの特異的機能阻害剤W7は、p85とカルモデュリンの結合を阻害すると共に、赤道面の分裂予定部の局在も阻害した。そして、分裂溝の形成やその後の細胞質分裂も阻害した。即ち、Ca^<2+>/カルモデュリン/P85複合体がテトラヒメナの細胞質分裂の開始シグナルであると結論できた。 cdaC変異遺伝子産物は、収縮環微小繊維を束ね、収縮環で生じた収縮力を表層に伝える構造と思われ、アクチン束化因子と推定されてきた。われわれは、アクチン束化因子として,EF-1αを見い出し、束化がCa^<2+>/カルモデュリン依存的に起こることを示してきた。本年度では、F-アクチン親和カラムを用いて、別の71kDaのフィンブリン様アクチン束化因子を見い出した。この蛋白質もEF-1αも共に分裂溝に局在することが判り、これらのアクチン繊維束化因子の細胞質分裂での機能的役割が注目される。
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[Publications] Watanabe,A.,Kurasawa,Y.,Watanabe,Y.and Numata,O.: "The New Tetrahymena actin-binding protein is localized in the division furrow." The Journal of Biochemistry. 123巻. 406-412 (1998)
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[Publications] Watanabe Y.,Numata,O.,Kurasawa,Y.and Katho,M.: "“Cultivation of Tetrahymena Cells". In Cell Biology:A Laboratory Handbook,2nd Ed.by J.E.Celis.Vol.1." Academic Press, San Diego, 406-412 (1998)
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[Publications] Numata,O.,Hanyu,K.,Takeda,T.and Watanabe: "“Tetrahymena calcium bending proteins,TCBP-23 and TCBP-25",in Tetrahymena thermophila, eds,by D.J.Asai and J.D,Forney(A Volume of Meth.in Cell Biol.)" Academic Press, In Press (1999)