1997 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン酸化膜/シリコン界面形成の原子スケール制御による超平坦界面の実現
Project/Area Number |
08455023
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
服部 健雄 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (10061516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野平 博司 武蔵工業大学, 工学部, 講師 (30241110)
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Keywords | シリコン酸化膜 / Si-SiO2 / 界面構造 / 原子スケール / 酸化膜の層状成長 / 酸化反応 / 価電子帯 / 価電子帯の不連続量 |
Research Abstract |
水素終端したSi(100)-2×1面を1Torrの乾燥酸素中300℃で酸化した後に、1Torrの乾燥酸素中600℃以上で形成した酸化膜の表面の凹凸はSi結晶上の原子ステップ0.135nm以下と極めて平坦である。しかし、Si2p光電子スペクトルにより調べると、界面には、原子スケールで平坦な界面の場合に予想される。Si^<2+>のみでなくSi^<3+>とSi^<1+>がかなり存在していることがわかる。一方、酸化の進行とともに酸化膜の表面粗さは膜厚周期0.18nmで周期的に振動することから界面において酸化反応が層状に生じていることがわかる。さらに、表面の形態の観察から酸化反応は2nm程度の拡がりをもって局所的に層状に進行していることがわかる。このように極めて平坦な酸化膜の場合の酸化の進行に伴う価電子帯スペクトルの変化をSi(111)面の場合と同様に調べた。すなわち、膜厚の接近した酸化膜のAlKα線励起価電子帯スペクトルの差をとることによりシリコン基板からの価電子帯スペクトルを取り除き、酸化膜表面の価電子帯スペクトルを抽出した。Si(111)面の場合と同様に、膜厚0.9nmを越えると、シリコン基板の価電子帯の上端を基準として測定した酸化膜表面の価電子帯の上端は0.2eVだけ変化し、バルクの酸化膜の価電子帯端の値である4.3eVに漸近する。さらに、酸化膜の劣化を引き起こさない2eV以下の低い運動エネルギーを有する電子を照射して酸化膜を帯電させた場合の酸化膜の表面および界面の電位を光電子分光法により測定して、界面準位密度を求める予備実験を行ったところ、酸化の進行に伴う界面構造の周期的変化に対応して界面準位密度が予想通り変化することを発見した。この結果を表面構造から予測される界面構造と比較検討した結果、Si^<3+>界面に隣接してシリコン基板側に存在するSi-Si結合の一部が切れることにより界面準位が生成されることを示唆する結果を得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M. Ohashi and T. Hattori: "Correlation between surface microroughness of silicon oxide film and SiO_2/Si interface structure" Japanese Journal of Applield Physics. 36・4A. L397-L399 (1997)
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[Publications] H. Nohita and T. Hattori: "SiO_2 valence band near the SiO_2/Si(111) interface" Applield Surface Science. 117/118. 119-122 (1997)
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[Publications] A. Omura, H. Sekikawa and T. Hattori: "Lateral size of atomically flat oxidized region on Si(111) surface" Applield Surface Science. 117/118. 127-130 (1997)
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[Publications] T. Hattori, M. Fujimura, T. Yagi and M. Ohashi: "Periodic changes in surface microroughness with progress of thermal oxidation of silicon" Applield Surface Science. 123/124. 87-90 (1998)
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[Publications] K. Hirose, H. Nohira, T. Koike, T. Aizaki and T. Hattori: "Initial stage of SiO_2 valence band formation" Applield Surface Science. 123-124. 542-545 (1998)
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[Publications] H. Nohira, A. Omura, M. Katayama and T. Hattori: "Valence band edge of ultra-thin silicon oxide near the interface" Applield Surface Science. 123/124. 546-549 (1998)