1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455025
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
片山 逸雄 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (40079603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 康行 大阪工業大学, 工学部, 講師 (30079602)
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Keywords | STM / シリコン表面 / 金属蒸着膜 / 金属 / 半導体 / 水素クラスターリング / 表面構造 |
Research Abstract |
我々は、既に平成8年度より実施した同科学研究費補助金基盤研究(B)(2)で、水素で終端されたシリコン表面上では金属薄膜のエピタキシ-が大きく影響され、しかもこれは可逆的に金属薄膜中に水素を吸着した場合も同様な現象を示すことを、Agの金属薄膜について報告してきたが(一種の表面偏析の制御といえる)、本年度は最終年度として、この現象が下地シリコン基板に与える影響について、Pb薄膜を用いて総括的に調べた。 Pb薄膜は作成時の基板温度と被覆原子数によって、表面超構造の周期性は【square root】3-Pbで等しいけれど原子配列の異なる構造をとり、水素終端によってどのように表面偏析するのか大変興味ある。そこで、STMとISSを用いて実験を行い、結果は以下の通りとなった。 (1)Pb薄膜は水素終端シリコン表面において、直接シリコン表面上に成長させた場合と異なったクラスター構造をとり、このことは直接シリコン表面上にPb薄膜を成長させ、後で水素吸着させた場合と同様な結果となり、水素が表面偏析を制御していることがわかった。 (2)Pb薄膜形成の際、2つの異なる【square root】3-Pb薄膜において、水素を吸着した際、表面偏析したPbクラスターの構造のみならず、露出したシリコン表面に特徴的な構造が見られ、しかもそれは2つの薄膜で大変よく似ていることを見出した。Pb薄膜においては、Pbの原子数の違いが水素終端効果に影響を及ぼさず、Agの金属薄膜の場合と好対照をなした。このことは、水素を媒介とした表面偏析制御を実現する鍵となるものである。 以上のような結果から、本年度の研究計画を達成したと考える。
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[Publications] Y.Ohba, I.Katayama, etc.: "Reconstruction and growth of Ag on hydrogen-turminated Si(111) surfaces." Applied Surfaces Science. 113/114. 448-452 (1997)
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[Publications] Y.Ohba, I.Katayama, etc.: "STM observation of Ag clustering on hydrogen-terminated Si(100) serfaces." Applied Surface Science. 121/122. 191-194 (1997)
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[Publications] Y.Ohba, I.Katayama, etc.: "STM observations of hydrogen-induced Pb clustering on Pb/Si(111)" Applied Physics A. (in press). (1998)