1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
早川 禮之助 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00011106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 康之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00225070)
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Keywords | 白色雑音 / 非線形応答 / 緩和スペクトル / 多時間応答関数 |
Research Abstract |
本年度は以下に述べるような白色雑音電場入力を用いた電気的非線形緩和スペクトル測定システムの開発を行なった。ランダムバイナリジェネレータ(CG-742)から発生させた2値ノイズを遮断周波数100kHzのロ-パスフィルタ(SR-4BL)を通して得られる擬似白色雑音電場を試料に印加し、試料からの出力電流信号(または電気変位応答)を低雑音の演算増幅器で電圧信号に変換、増幅した後、高分解能のFFTアナライザ(R9211B)で検出する。同時に入力、出力の時系列信号およびその複素フーリエ変換スペクトルはGPIBを介してパーソナル・コンピュータ(P5-166)に転送された後、多時間応答関数および非線形緩和スペクトルの計算が行われる。 Wienerのn次多時間応答関数は原理的には、過去のn個の時間点における入力信号の積と出力信号スペクトルの周波数成分の積をとることによりn個の時間変数の関数として得られ、これを多重フーリエ変換すればn次の非線形緩和スペクトルが求められる。本研究ではFFTアナライザ上でのフーリエ変換により得られた入力信号スペクトルのn個の周波数成分と出力信号スペクトルの周波数成分の積をとることによりn次の非線形緩和スペクトルの各周波数成分を直接求めるアルゴリズムを用いて、多くの時間とメモリーを要する相関関数の計算を介さずに、低次から高次までの非線形緩和スペクトルを効率よく求める手法を実現した。 本年度はさらに非線形素子を用いて作成した非線形電気回路に本測定システムを適用してシステムの評価を行なったところ、大きな印加電場に対して強い非線形性が生ずる場合でも白色雑音法を用いれば多数回の積算を行なうことにより線形緩和スペクトルが精度よく求められることがわかった。
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Research Products
(1 results)