1996 Fiscal Year Annual Research Report
有限変形弾塑性有限要素法とカルマンフィルタを利用したガ-ソン材特定値の同定
Project/Area Number |
08455054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
青木 繁 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (90016436)
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Keywords | ガ-ソン材特性値 / カルマンフィルタ / 有限要素法 / 有限変形弾塑性論 / 空孔発生 / ひずみ速度依存性 / ホプキンソン棒 / 試験片形状 |
Research Abstract |
有限要素法とカルマンフィルタの併用による逆解析を行って空孔発生に関するガ-ソン材特性値を推定する方法を提案し、数値実験により本方法に適した試験片形状および変位測定位置を決定した。本数値実験においては、まずガ-ソン材特性値を適当に仮定して、有限変形理論に基づいた弾塑性有限要素法により種々の荷重における試験片各部の変形量を計算する。この変形量に適当な誤差(測定にはノギスを用いることを想定)を与えて、模擬測定値とする。つぎに、この模擬測定値を入力としてカルマンフィルタにより、ガ-ソン材特性値の推定を行い、正しく推定される条件(測定を行う変形段階、試験片の形状および変位測定位置)を求めた。 その結果、中央に円孔を持つ平板と外側切り欠きを持つ平板の2種類の試験片の合計4ヶ所における変位を5つの変形段階において測定すれば、本手法により空孔発生に関するガ-ソン材特性値の推定が可能であることが分かった。この結果を、アイルランドのダブリン市で開催されたIUTAM国際会議で講演発表するとともに、材料学会誌に論文発表した。また、本研究補助金により材料試験機を購入し、実験の準備を行った。来年度には実際の測定値を用いて本手法により、いくつかの材料の特性値を推定する予定である。 さらに、本手法の対象を変形のひずみ速度依存性を考慮に入れたガ-ソン材に拡張するための準備として、母材がマルバーン形構成式で表されるとしてその特性値の推定も試みた。ホプキンソン棒試験を想定して、数値実験を行い正しく特性値が推定できることを確認した後、試験装置を他の研究室から借用し銅の試験片を用いて実験し、その特性値を実際に推定した。この結果は、機械学会において発表予定である。
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