1996 Fiscal Year Annual Research Report
金属基複合材料の母材・強化材界面の剥離過程の解明とその解析手法の開発
Project/Area Number |
08455058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 達雄 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (10025950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 衛 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70239250)
今谷 勝次 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (70191898)
星出 敏彦 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (80135623)
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Keywords | 金属基複合材料 / 界面剥離 / クリープ / 連続体損傷力学 / 有限要素法 / ユニットセルモデル / アルミニウム合金 / SiCウィスカ |
Research Abstract |
本研究では,一方向に配向したSiCウィスカで強化されたアルミニウム基の金属基複合材料に関して,そのクリープ条件下で生じる母材の損傷過程について有限要素法を用いたシミュレーョンを行った.シミュレーションではウィスカ近傍での母材の損傷と応力の変化を評価する目的から,周期境界条件を適用したユニットセルモデルを適用した.アルミニウム母材に対しては弾性-クリープ変形を考慮し,ウィスカに対しては弾性変形のみを考えた.さらに,界面剥離のシミュレーションについては連続体損傷力学と有限要素法を組合わせた局所的接近法を用いた.すなわち,界面近傍における母材のクリープ損傷を界面剥離として扱った.シミュレーションでは,ユニットセルモデルにおける応力-ひずみ状態に対して軸対称ならびに平面ひずみの2種類の仮定を設定し,それぞれの仮定のもとで得られる応力分布ならびに損傷モードの違いについて考察した.その結果,以下のことが判明した. 1.相当応力は母材のみがクリープするという仮定からウィスカ内で高くなり,ウィスカの端面には母材と強化材のポアソン比の違いに起因するせん断応力によって応力集中が見られた. 2.軸対称および平面ひずみのいずれの仮定においても,ウィスカ端面で損傷が発生し,初めに端面で海面剥離が生じることが予測された.しかし,損傷の発生場所と進展方向には軸対称と平面ひずみのそれぞれ仮定による違いが認められた. 3.本研究で行ったシミュレーション手法を用いることによって,界面剥離を考慮した巨視的クリープ曲線を得ることができた。
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