1996 Fiscal Year Annual Research Report
分子動力学法により求めた物性値による大口径シリコン単結晶作成プロセスの熱応力評価
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08455064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮崎 則幸 九州大学, 工学部, 教授 (10166150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 徹 九州大学, 工学部, 助教授 (40243894)
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Keywords | 有限要素法 / 分子動力学法 / CZ法 / 転位密度 / 熱応力 / シリコン / 半導体 / 物性値 |
Research Abstract |
(1)過去に本研究室において開発された分子動力学法の解析プログラムを用いて、Johnsonポテンシャルを有するα鉄について、その線膨張係数および弾性係数の温度変化を推算し、ある程度の温度域までは実験値と比較的良く一致し、分子動力学法の高温物性評価への適用の可能性を示した。 (2)将来開発が予想されている16インチCZ-Si単結晶につて、種結晶ネック部の機械的強度の評価を行った。すなわち、ネック部に不規則な直径変動がある場合の応力集中係数を有限要素解析により求めるとともに、ネック部で支持できる最大結晶長さとこの部分の温度の関係を求めた。この結果、ネック部の不規則な直径変動により、最小ネック部にある程度の応力集中が生じることがわかった。また、最大結晶長さについては、結晶強度に対して適切な安全係数を設定する必要性を強調した。 (3)8インチおよび10インチSiバルク単結晶のCZ育成条件の総合伝熱解析を行い、単結晶の形状および温度分布の経時変化を求めた。 (4)(3)で求めた8インチ結晶の結果を用いてSi、InP、GaAsといった代表的な半導体バルク単結晶の転位密度の時間変化を解析した。その結果、InP、GaAsについては、実際の育成結晶でも見られるような直径方向の転位分布に関するW型の分布形状が解析によっても得られるとともに、転位密度の値も比較的良好であり、使用した転位密度評価解析プログラムの有効性が立証された。一方、Si単結晶についての解析結果は、実際の育成において得られる無転位結晶を再現することができず、解析に使用する物性値の重要性を指摘した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.MIYAZAKI: "Calculation of Mechanical Properties of Solid Using Molecular Dynamics Method" JSME International Journal. 39・4. 606-612 (1996)
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[Publications] 宮崎則幸: "半導体バルク単結晶CZ育成過程における転位密度評価" 日本機械学会論文集・A編. 63・607. (1997)