1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455076
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安武 潔 大阪大学, 工学部, 助教授 (80166503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣内 弘章 大阪大学, 工学部, 助手 (10233660)
芳井 熊安 大阪大学, 工学部, 教授 (30029152)
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Keywords | 無転移単結晶Si / Siシート / 液相成長 |
Research Abstract |
本研究では、無転位単結晶Siの成長において、始めからシートあるいはウエハ状で成長する方法の開発を目的とする。成長法には、溶媒からの溶質Siの析出による方法(液相法)を用い、シート状に成長させる手法として、板状スリット内での縦方向成長およびガラス基板上でのグラフォエピタキシ-を試みる。 (1)昨年度の結果より、Si成長用溶媒としてSnを選定し、坩堝材料として高純度アルミナを用いた。Sn溶媒中へのSiの溶解度を測定し、その結果を元に、成長温度を900℃以下に設定した。(2)作製した液相成長装置を用いてSi結晶成長実験を行った。溶液温度900℃から20℃/hで冷却する徐冷法、および溶液温度900℃一定で種子結晶を冷却する等温法を試みた。結晶成長は、溶液中の温度分布、Sn溶媒中で軽いSi原子が浮き上がることによってできる溶質濃度分布、および種結晶方位に依存することが明らかとなった。種子結晶として(112)端面を用いると単結晶成長するが、(111)端面を用いると多結晶となることが分かった。(3)X線ラウエ回折法により成長結晶の面方位を求めた結果、種子結晶方位と同一であった。また、成長結晶は{111}面に囲まれていることが分かった。(4)2次イオン質量分析法により、成長結晶中のSn濃度を定性分析した結果、成長温度が高い程Sn濃度が高いことが分かった。このことから、不純物濃度が均一な結晶を成長させるためには、冷却法による成長ではなく、等温法による成長が必要であることが確かめられた。(5)抵抗率の測定から、成長したSi結晶は10〜20Ωcmであり、原料Siとほぼ同じ抵抗率であることが分かった。(6)新しいグラフォエピタキシャル成長用基板製作技術として、共鳴レーザ光を用いた原子リソグラフィーの基礎技術開発に着手した。
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