1997 Fiscal Year Annual Research Report
空力騒音低減のためのはく離の前兆捕捉とアクテイブ制御
Project/Area Number |
08455085
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
望月 修 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50157830)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木谷 勝 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50001160)
|
Keywords | 空力騒音 / 能動制御 / はく離 / 後流 / 非定常流れ / 渦干渉 / 渦構造 / 渦輪 |
Research Abstract |
音圧レベルが一定な音に対してそれが非定常に変化する音は、より耳障りな騒音と感じる。このような騒音に対処する方法を見いだすことが本研究の目的である。これを実現するために、流れのはく離の兆候をとらえ、事前にはく離を制御する低騒音化技術の確立をめざした。非定常流入撹乱に対して、突発的に音圧レベルが変化することを事前に予測できれば発生音の大きな変化を未然に防ぐことができる。さらに、流れと物体との干渉によって発生する音は物体に作用する変動流体力に密接に関係しているため、突発的な音の変化を抑制することは流体機械における衝撃力の作用や異常振動を抑えることでもある。 本研究では、はく離の渦構造解明、はく離の前兆捕捉、制御用アクチュエータの開発および特性解明を主に行った。従来の減音対策では定常状態を想定していたのに対し、非定常に変化する流れのはく離の兆候を検出して流れの制御を行い、未然に音圧レベルの増大を抑制することをめざした。これに先立ち、定常はく離のオープンループ制御を行い、円柱後流をはく離せん断層に作用させることでディフューザ内のはく離をうまく制御できることを見いだした。これに平行して、3次元物体からの3次元はく離流れの渦構造解明に関する研究を行い、周方向の曲率半径の変化が近傍後流の特性に大きな影響があることを見いだした。また、制御用デバイスの運動量輸送媒体としての渦輪の特性に関する研究を行い、それを用いた薄翼上のはく離の制御にそれを用いることができることを示した。特定の機械に対してのみ有効であった従来の減音対策に対し、本研究により、従来行われなかった「流れの制御」による静粛化技術の確立が達成されれば、その応用範囲の拡大が期待できる。また、本研究の成果は環境に及ぼす騒音問題に寄与できるものと期待できる。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] M.Kiya: "Simu soidal forcing of a turbulent sepsration bubble" J.Fluid Mech.342. 119-139 (1997)
-
[Publications] 石川 仁: "PODおよびwavelet変換による乱流混合層大規模組織構造の研究" 日本機械学会論文集(B編). 63・610. 2001-2008 (1997)
-
[Publications] 阿部 行伸: "楕円板後流の乱流特性" 日本機械学会論文集(B編). 63・609. 1520-1525 (1997)
-
[Publications] 鈴木 紳由: "主流中における間欠噴流の特性(はく離デバイスの基礎研究)" 日本機械学会論文集(B編). 63・605. 106-111 (1997)
-
[Publications] 望月 修: "非定常かく乱に対するディフューザ内はく離流れの応答" 日本機械学会論文集(B編). 63・605. 54-61 (1997)
-
[Publications] 望月 修: "円柱後流の流入による二次元ディフューザの特性変化" 日本機械学会論文集(B編). 62・594. 454-460 (1996)
-
[Publications] 望月 修: "流体音工学入門" (株)朝倉書店, 189 (1996)