1996 Fiscal Year Annual Research Report
拍動血流と弾性血管壁の相互作用に関する体外模擬実験と数値解析
Project/Area Number |
08455096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大場 謙吉 関西大学, 工学部, 教授 (30029186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 篤 関西大学, 工学部, 助手 (50162334)
板東 潔 関西大学, 工学部, 助教授 (70156545)
浦上 忠 関西大学, 工学部, 教授 (80067701)
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Keywords | 血管壁と血流の相互作用 / 体外力学モデル / 模擬赤血球 / 模擬血液 / カツソン流体 / 連銭形成 / コラプシブルチューブの座屈 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
1.模擬赤血球としてアルギン酸ゲルの柔軟弾性粒子、およびアラビアゴムとゼラチンでコーティングされたカプセル粒子の2種類を試作し、粒径、物性値の評価、およびそれらの高濃度懸濁液が模擬血液としての力学的特性を備えているか否かの評価を行なった結果、前者が模擬赤血球として適当との結論を得た。アルギン酸ゲル粒子は製作法を工夫することにより平均粒径13.6μm、密度1030kg/m^3とほぼ赤血球を模擬できた。水または生理食塩水を媒液としたこの粒子の高濃度分散液のずり応力τ一ずり速度dγ/dt曲線を体積濃度(ヘマトクリット)と液温度をパラメーターとしてコーンプレート型粘度計で精密測定したところ、血液と同じく降伏応力を持つCasson流体であること、血液とほぼ同じ粘性係数を持つこと、さらにずり速度約100/sec以下で血液が連銭を形成するのと同様にこの分散液も可逆的集合体を形成することがわかった。これにより、我々の模擬血液が実際の血液の持つ力学的特性の大部分を持っていることが明らかになった。2.静脈血管や冠動脈を模擬した柔軟な薄肉ゴム弾性管(コラプシブルチューブ)に外圧を印加して内部に流体を流した時に発生する自励振動のメカニズムを解明するため、まず外圧を受けて座屈していくチューブ断面の挙動について数値シミュレーションを行なったところ、最も重要なモード2の座屈(円形断面が8の字型につぶれるモード)を模擬することができた。次にチューブ肉厚が管軸に沿って直線的に変化するような管を製作し、その中の流れの自励振動の特性を実験によって調べたところ、自励振動の発生領域が大幅に縮小した。この管を開心手術時の体外循環流路に用いれば、好ましくない自励振動の発生を抑えることも可能である。3.大動脈弓を模擬した分岐管付きテ-パ-U字剛曲管内の水拍動流中の瞬時・局所の速度場をレーザー誘起蛍光法による可視化法を用いて詳細に調べることができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Nakata & K.Ohba: "Increase in Vortex Shedding Frequency from an Elasto-Flexible Cylinder in Uniform Water Flow" Journal of hte Physical Society of Japna. 65,9. 3080-3081 (1996)
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[Publications] K.Ohba,A.Sakurai,S.Ikedo,T.Urabe & K.Sawa: "Pulsatile flow through tapered U-bends as simulated aortic arch (velocity field measurements by laser-induced fluorescence method)" Proceedings of 8th International Symposium on Applications of Laser Techniques to Fluid Mechanics. II,37.6. 1-6 (1996)
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[Publications] K.Ohba & K.Korenaga: "Development of fiber-optic laser Doppler velocimeter sensor for measurement of local blood velocity" Proceedings of 8th International Symposium on Applications of Laser Techniques to Fluid Mechanics. II,40.4. 1-5 (1996)
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[Publications] 大場謙吉: "流体中の生物の運動と推進" 工学と技術(関西大学工学会誌). 11・2. 59-66 (1996)
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[Publications] 大場謙吉・桜井篤・岡順治: "自励振動中のコラプシブルチューブ内の局所流れ場のLDVによる測定" 日本機械学会論文集(C編). 63・607(3月予定). (1997)
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[Publications] 中田雅子・大場謙吉: "柔軟な弾性表面を持つ円筒に働く流体力と周りの流れ場" 日本機械学会論文集(C編). 63・607(3月予定). (1997)