1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
円山 重直 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (80173962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 勝男 東北大学, 理学部, 助手
日向野 三雄 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (50006201)
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Keywords | 熱電素子 / 急速冷却 / 非平衡 / 伝熱制御 |
Research Abstract |
本研究は、熱的非平衡・非定常状態における動的挙動を解明し、高速能動伝熱制御の実現を目指すもので、本年度は以下の研究成果を得た。 (1)従来とは異なる観点から、新しい非平衡熱電素子の基礎理論を構築し、それに基づいた数値解析を行った。非平衡状態の熱電素子理論では従来の平衡物性として用いられているトムソン係数が使用できないことが明らかとなった。 (2)本理論に基づいて非平行熱電素子の冷却性能を評価した結果、フロンの核沸騰熱伝達に相当する冷却熱流束が得られることが明らかとなった。またその時、熱電素子に流す電流は定常運転で用いられる電流に比べて著しく大きいものであった。 (3)コンピュータシステムと連動した能動温度制御機構を構築し、現有の位相シフト光干渉計で温度場の非接触その場観察を行った。能動温度制御機構は、非常に良好に作動し、高精度な温度制御と急激な温度変化を同時に行うことが出来ることが明らかとなった。このシステムを用いて、結晶周りの溶液の二重拡散場その場観察を行った。本実験で用いた温度制御機構は、各種の温度制御実験にも応用可能であることが実証された。 (4)上記理論と急速冷却実験の結果を比較し、良好な一致を見た。この時の非平衡熱電素子内の温度変化は、通常用いられる熱電素子のものとは大きく異なることが明らかとなった。 以上纏めると、本年度の研究目標はほぼ達成された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 円山重直: "非平衡熱電素子による高速能動伝熱制御" 第33回日本伝熱シンポジウム講演論文集. 第1巻. 127-128 (1996)
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[Publications] S. Maruyama, T. Shibata, K. Tsukamoto: "Measurement of Sdutal and Thermal Diffusion Subjected to Rapid Cooling in Microgravity by Parbolic Flight" Proc. of 3rd KSME-JSME Thermal Engineering Conference. Vol 2. 49-54 (1996)
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[Publications] 円山重直 柴田敏行 塚本勝男: "微小動環境下における急速冷却時の塩素酸ナトリウムの結晶成長速度の測定" 日本結晶成長学会誌、第27回結晶成長国内会議講演論文集. 23・3. 140- (1996)
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[Publications] 円山重直 柴田敏行 菱沼信夫 塚本勝男: "微小動下における塩素酸ナトリウムと水溶液の二重拡散場と相変化現象" 第33回日本伝熱シンポジウム講演論文集. 第1巻. 733-734 (1996)
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[Publications] 円山重直、柴田敏行、塚本勝男、河野 靖、清水健司、森田知二: "能動温度制御装置を用いた短時間微小動環境下の二重拡散場の観察" 日本マイクログラビティ応用学会誌. 13・4. 320- (1996)
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[Publications] 円山重直、柴田敏行、塚本勝男: "高速温度制御システムとリアルタイム位相シフト干渉計を用いた温度・濃度拡散係数の測定" 第17回日本熱物性シンポジウム講演論文集. 399-402 (1996)